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コウラウン

コウラウンは、ヒヨドリ科に属するアジア原産の鳥です。英語名のRed-whiskered Bulbulは、「赤い頬髭のヒヨドリ」という意味です。ハワイでは、オアフ島で外来種として定着しています。1965年頃に鳥かごから無許可で放されたものが繁殖したと考えられています。同じくオアフ島で外来種として定着しているシリアカヒヨドリと同様、農作物に被害を与える害鳥とされています。 インド、ミャンマー、タイ、中国、マレーシア、インドシナに分布します。ハワイではオアフ島のみに生息します。オアフ島以外の島での目撃情報は、すぐにハワイ州のDepartment of Land and Natural Resourcesに報告されるべきです。ハワイ以外では、モーリシャス島やフロリダ州などにも移入されています。 全長18cm、雌雄同色。上面は濃い茶色、下面は白色です。直立した黒い冠羽と目の横の赤い班、白い頬などが外見の特徴で、ハワイでは他に似ている鳥はいないのですぐに見分けられます。尾は黒色、尾の先端は白色、下尾筒は赤色です。森の谷間やホノルルの町中を小さな群れで行動します。虫や果実を食べます。   日本語名:コウラウン(紅羅雲) ハワイ語名:― 英語名:Red-whiskered Bulbul 学名:Pycnonotus jocosus 分類:ヒヨドリ科(Pycnonotidae) その他:外来種(alien)...

ミズクラゲの話

私が子供の頃は、クラゲを展示している水族館なんて無かった気がしますが、最近はクラゲを展示をする水族館が増えてきていますよね。我が家の長女を初めてワイキキ水族館に連れて行った時、ミズクラゲの水槽にしがみつく様にして見入っていたのを思い出します。ミズクラゲといえば、子供の頃に海水浴に行くと、よく大発生していたことを思い出します。今回は、このミズクラゲのお話をさせて頂きたいと思います。 以前「クラゲの話」の中でもお話しましたが、クラゲはサンゴと同じ刺胞動物門に属する動物で、その中でもミズクラゲは鉢虫綱旗口クラゲ目ミズクラゲ科に属しています。このクラゲは日本沿岸で最もよく見られるクラゲで、世界中の海に広く分布しています。そのまん丸な形から、英語ではmoon jellyと呼ばれています。体長は生体で15?30cmで、よく見ると傘の周りに細くて短い触手がたくさん付いています。傘の下側の中央に口があり、その周りから4本の口腕と呼ばれる腕が出ています。 刺胞動物は皆、刺胞という毒を持つ期間を持っているので、もちろんミズクラゲにも刺胞はあります。ミズクラゲの刺胞は傘の周りの短い触手にあって、ここで餌の小さなプランクトンを捕まえます。しかし、この刺胞は小さなプランクトンを捕まえるのに十分な強さしかなく、人間が刺されたとしてもほとんど痛みは感じません。私が子供の頃も、海水浴場でミズクラゲが大発生していても構わずに遊んでいました。まあ、ちょっと気持ちは悪かったですが・・・。...

ゴールドツリー

ゴールドツリーは、中央アメリカと南アメリカが原産の高木です。ハワイではフォスター植物園(Foster Botanical Garden)に最初に植えられました。花が咲いているときには、葉がほとんどなく、木全体が黄金色に輝いているようで、遠くからでもたいへん目立ちます。 リーフエ(カウアイ島)、ホノルル(オアフ島)、ラハイナ(マウイ島)などの、晴れ空が多いリーワード(leeward、貿易風の風下側)で特に多く植えられています。幹は真っ直ぐ伸び、枝は地面から高い位置で生えるため、多くの場合、花を下から見上げることになります。そのため、リーワードの澄んだ青空と黄色い花とのコントラストが特に印象的です。 樹高は大きなもので約25mになります。樹皮は明るい灰色です。葉は複葉で、最長約25cmの小葉が5~7枚、掌状に広がります。花はラッパのような形で、明るい黄色です。花期は2~6月で、葉がでるまで数週間咲き続けます。果実は、マメ科のさやのような細長い蒴果です。 同じノウゼンカズラ科のシルバートランペットツリーとよく似ており、混同されることがあります。シルバートランペットツリーの花は長さが5~7cmなのに対して、ゴールドツリーの花はやや小型で、長さは約4cmです。また、シルバートランペットツリーは樹皮の色が濃く、葉は銀色味を帯びています。 日本語名:― ハワイ語名:― 英語名:gold tree、primavera 学名:Tabebuia donnell-smithii (Roseodendron donnell-smithii) ノウゼンカズラ科(Bignoniaceae) 外来種(alien)...

トゲチョウチョウウオの話

熱帯魚といえば、チョウチョウウオという名前を聞かれたことがあるのではないでしょうか?ハワイにももちろんチョウチョウウオはいるのですが、一口にチョウチョウウオと言っても、実はたくさんの種があるのです。今回はその中から、私の好きなトゲチョウチョウウオという種のお話をさせて頂きたいと思います。 トゲチョウチョウウオは、スズキ目チョウチョウウオ科に属する魚です。紅海、太平洋、インド洋と広く分布していて、日本でも特に沖縄ではよく見られます。体長は20?23cmと、チョウチョウウオの中では大型になります。背ビレの後ろの方が棘のように細く伸びていることから、この名前がつきました。英語名はThreadfin butterflyfish(threadfinは糸状のヒレ、butterflyfishはそのままチョウチョウウオの意)です。 私がこのチョウチョウウオが好きなところは体の模様で、白地に直交する黒い線が特徴です。背ビレから尾ビレにかけてが黄色く、背ビレの端に黒い斑点があります。また、目を通る黒い帯状の模様があり、それが私にはパンダのように見えて可愛いのです(あくまで個人的な意見ですが、、、)。ちなみに、幼魚は見た目がちょっと異なり、背ビレはオレンジ色になります。また、紅海のトゲチョウチョウウオは背ビレの黒い斑点がないそうです。haはとげとげ...

ハワイのトレイルその32~ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(ハワイ島)その2

ハワイのトレイルその32~ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(ハワイ島)その1の続きです。ボードウォークが終わると、比較的平坦な舗装された道になります。トレイルは、『Palm Jungle(ヤシの木のジャングル)』、『Onomea Falls(オノメア滝)』、『Lily Lake(ユリの池)』、『Orchid Garden(ランの庭)』などと名付けられた、さまざまな区域を通ります。分かりやすい標識も点在します。『Orchid Garden』の隣には『The Founders’ Birdhouse(創設者の鳥小屋)』があり、カラフルなインコが飼われています。 トレイルの最奥部で、オノメア湾にでます。湾内にある二つの小島は、ツイン・ロックス(Twin Rocks)と呼ばれています。伝説ではは、ある若い恋人同士が、村を守るためにこの二つの島に姿を変えたのだと云われています。 2015年5月現在、開園時間は毎日午前9時から午後5時まで。最終入園時間は午後4時。サンクスギビング、クリスマス、元旦は休園。入場料は大人15ドル、6~16歳は5ドル、6歳未満は無料。駐車場、トイレ完備。ビジターセンターではトレイルマップをもらえます(英語のみ)。雨の場合には、無料で傘の貸し出しもあります。 おわり 場所:ハワイ島 コース:往復 往復距離:約2km...

ハワイアン・クリーナー・ラスの話

私は子供の頃、海や川の生き物の図鑑が大好きで、好きな生き物に丸を付けたりしていました。その中にホンソメワケベラという魚がいたのですが(名前の響きが面白かったので)、この魚は他の魚の体表に付いている寄生虫を掃除することで知られています。ハワイにも、このホンソメワケベラと同じ仕事をしている魚がいます。そこで今回は、このハワイの海の掃除魚、ハワイアン・クリーナー・ラスのお話をさせていただきたいと思います。 ハワイアン・クリーナー・ラスはホンソメワケベラと同じスズキ目ベラ科ソメワケベラ属に属する魚です。体長は大きいものでも約10 cmと小さく、頭部は黄色、尾部は青色から紫色と鮮やかで、体の横に黒いラインが1本入っています。名前に「ハワイアン」と付いていることからもわかるように、ハワイ諸島沿岸でしか見られない、ハワイ固有の魚です。 ハワイアン・クリーナー・ラスは1匹1匹がそれぞれ「クリーニング、ステーション」という掃除場を持っていて、掃除して欲しい魚たちはそこで順番待ちをします。掃除される魚はその場でじっとしていて、ハワイアン・クリーナー・ラスが掃除しやすいように口を開けたりエラを広げたりしています。ハワイアン・クリーナー・ラスは、掃除して欲しい魚の周りを泳ぎ回り、口の中や体表に付いた寄生虫を食べ、取り除いていきます。鮮やかな体の色と踊るような泳ぎ方が、他の魚にそれがハワイアン・クリーナー・ラスであることを知らせ、攻撃するのを防いでいるようです。ワイキキ水族館では、ハワイアン・クリーナー・ラスが大きなタマカイの周りを泳いでいましたが、なんだか微笑ましい光景でした。...

ハワイのトレイルその32~ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(ハワイ島)その1

ハワイ島のハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(Hawaii Tropical Botanical Garden)は、ヒロの約11km北にある植物園です。オノメア湾(Onomea Bay)に注ぐオノメア川(Onomea Stream)の谷一帯が植物園となっていて、谷の雨林の中に2,000種以上(125科、750属以上)の熱帯植物が展示されています。 ヒロから車で行く場合は、ハイウェイ19号(Mamalahoa Hwy.)を北上し、7マイルを示す標識を過ぎてすぐ見える「Scenic Route」と書かれた青い標識を右折します。そこから約3.2km進むと、左手に植物園のビジターセンターがあります。コナ方面から行く場合は、ハイウェイ19号をヒロに向かって南下し、8マイルを示す標識を過ぎて間もなく「Scenic Route」と書かれた青い標識を左折し、約2.5km進むと右手にビジターセンターがあります。 園内には整備された約2kmのトレイルがあり、1~2時間かけて散策できます。トレイルは、下り坂道のボードウォークで始まります。ボードウォークは、約150m続きます。ボードウォークの坂道を登り降りするのが辛いかたは、ボードウォークを往復するゴルフカートに乗せてもらって移動することもできます(5ドル)。 その2につづく...

ヘコアユの話

前回はヨウジウオのお話をしましたが、ワイキキ水族館ではトゲウオ目の魚の仲間としてヨウジウオやタツノオトシゴとともにもう一つ、面白い魚が展示されています。頭を真下に、尾側を真上に向けて縦に泳いでいるこの魚は、ヘコアユと呼ばれています。今回は、このヘコアユについてお話しさせて頂きたいと思います。 ヘコアユは上述の通り、トゲウオ目ヨウジウオ亜目ヘコアユ科ヘコアユ族に属する魚です。体は細長く、縦方向にとても平べったくなっていて、体側に黒い縦帯模様がはいっています。体表がうろこに覆われていなく、甲板という鎧のような殻に覆われていて、それがエビの殻に似ていることから英語ではShrimpfishと呼ばれています。また、薄っぺらな体がカミソリの刃に似ていることからRazorfish(razorはカミソリの刃)とも呼ばれます。口先が細長く突出していて、 その先端に小さな口があり、動物プランクトンなどを捕食しています。 ヘコアユの尾側の先端はよく見ると尖っていて、これは実は尾ひれではなく、背びれの一部です。尾ひれは腹部の方に移動しています。ガンガゼという、棘が長くて刺さると痛い有毒ウニがありますが、このガンガゼの周りに群れていることが多く、薄っぺらいからだと頭を下にした泳ぎ方は、このガンガゼの棘の間に逃げ込みやすいと考えられています。縦帯模様もガンガゼの棘にカムフラージュするのにちょうど良いようです。...

マイレ

マイレは、香りのよいレイの素材として、王族から庶民まで広く愛されてきた低木です。その伝統は今日でも生きていて、結婚式、卒業式、授賞式などの式典では、マイレで作ったレイは欠かせません。ただし、流通しているマイレのほとんどは、クック諸島やトンガからの輸入品です。 オーストラリア、ニューカレドニア、ポリネシアの島々に自然分布します。ハワイでは主要6島の標高50~2,000mで見られます。葉は対生もしくは3輪生(茎の1節に3個の葉がつく)で、同じ茎でも両タイプが見られます。葉の表は光沢があり、裏は明るい色です。葉を潰すと白い乳液が出ます。場所によって葉の形やサイズは大きく異なります。花は筒状で小さく、先に黄色の花弁が4枚あります。果実はオリーブに似ていて、オーマオ(ハワイ・ツグミ)などの鳥の好物です。樹皮を剥ぐとよい香りがします。 マイレには神秘的な力が宿っていると信じられ、特にフラの女神ラカ(Laka)に捧げる神聖な植物とされています。葉は、香りのよい長持ちする伝統的なレイになります。マイレのレイを部屋に置いておくと数週間は香りが続きます。 日本語名:― ハワイ語名:maile 英語名:― 学名:Alyxia stellata 分類:キョウチクトウ科(Apocynaceae) その他:ハワイ在来種(indigenous) ——————————————————————— 「画像1」マイレ 「画像2」マイレ(花) 「画像3」...

ヨウジウオの話

ワイキキ水族館では昨年、「トゲウオ目の仲間?タツノオトシゴ、シードラゴン、ヨウジウオとその仲間」という展示が始まりました。タツノオトシゴやシードラゴンについては以前お話しさせて頂きましたが、あのような見た目でも立派な魚なのです。トゲウオ目には、面白い見た目の魚が属しています。そこで今回は、もう一つのヨウジウオという魚についてお話しさせて頂きたいと思います。 ヨウジウオはトゲウオ目の中でもヨウジウオ科ヨウジウオ属に属する魚です。英語ではpipefish(パイプフィッシュ)と呼ばれています。ヨウジウオの仲間はみんな細長い体をして、それが英語名の由来になっています。口も細長く、小さな口先から動物プランクトンや小型の動物の幼生を吸い込むようにして食べています。尾ひれが団扇のような形なのがとても可愛いです。ヨウジウオはタツノオトシゴよりは早く動けますが、それでも動きは遅く、周囲にカモフラージュして隠れてじっとしていることが多いです。 ヨウジウオはタツノオトシゴと同様、オスが「出産」する魚でもあります。メスはオスの育児嚢に卵を産み、オスは卵が孵るまでそこで育てます。卵は一度に1000個ほど産み付けられるので、卵が孵った時はたくさんの稚魚がオスから出産される事を考えると、一度その出産シーンをこの目で見てみたいと思いました。...