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シマキンパラ

シマキンパラは、カエデチョウ科の小型の鳥です。ハワイには1865年に東南アジアより移入されました。現在では主要6島の海岸近くから高山性の森林にいたるまで広い地域に生息します。山間の在来植物の森でもたまに見られます。ハワイで稲作が行われていた時代には、深刻な害鳥でした。そのため地元ではライスバード(Ricebird)とも呼ばれます。 全長11cm。雌雄同色。上面は茶色、喉は栗色、顔は濃い茶色、腹は白っぽい色です。胸と側面は灰色で、うろこ状の斑があります。嘴と足は暗い色です。未成鳥は明るい茶色で、下面は淡い黄色。未成鳥はキンパラ(L. atricapilla)の未成鳥に似ていますが、シマキンパラの未成鳥は嘴が暗い色なのに対して、キンパラの未成鳥の嘴は青色なので見分けられます。 群れを作って開けた土地で草の種を食べます。他のカエデチョウ類と一緒に群れを作ることもあります。「チーチー」と鳴きます。警戒心が強く、なかなか近くで観察することができません。草でできたドーム型の巣を灌木や茂みに作り、3~4個の白い卵を産みます。 日本語名:シマキンパラ(島金腹) ハワイ語名:― 英語名:Nutmeg Mannikin、Spotted Munia 学名:Lonchura punctulata 分類:カエデチョウ科(Estrildidae) その他:外来種(alien) ——————————————————————— 「画像1」シマキンパラ 「画像2」シマキンパラ 「画像3」シマキンパラ...

マッシュルームコーラルの話

ワイキキ水族館に行くといくつかの水槽で、平たい楕円形で細かいヒダのある、緑や紫、茶色をした石のような物体を見かけます。実はこれは歴とした生き物で、英語ではマッシュルームコーラル(科学名のFungiaも、英語でキノコを含む菌類を表すfungiに由来すると思われます)、日本語ではクサビライシと呼ばれています。今回は、このマッスルームコーラルのお話をさせて頂きたいと思います。 マッシュルームコーラルは、“コーラル”と付く通りサンゴの仲間で、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目クサビライシ科に属しています。放射状の細かいヒダが、キノコのかさの裏側に似ていることから名が付いたようです。ちなみに、日本語の「クサビラ」もキノコの意味です。大きいものでは25cmほどに成長しますが、他のサンゴに比べるとやや成長が遅いそうです。基本的にサンゴは成長が遅いのですから、25cmになるのにはどのくらいかかるのでしょう?体の色は、以前サンゴのところでもお話ししたように、共生している褐虫藻によるものです。 マッシュルームコーラルが他のサンゴと違うのは、岩などに固着せずに、単体で自由生活をしているところです。若いうちは岩に付着しているのですが、成長すると岩から遊離して単体生活を始めるのです。水族館でも、砂の上に無造作にポン、と置かれている感じで、とても面白いサンゴです。...

ハワイのトレイルその29~ヌウアヌ(オアフ島)その3

尾根の右手の谷(パウオア・バレー)の向こうは、中腹にある展望台が有名なタンタラス山です。尾根の左手はヌウアヌ・バレーとホノルルで、遠くにワイアナエ山脈の山々が見えます。やがて道は尾根の右手にそれ、下りになります。しばらく進むと、パウオア・フラッツ・トレイルとの三叉路があり、標識があります。 三叉路を左折して、パウオア・フラッツ・トレイルに入ります。竹林の中を進むと、再び三叉路があり、標識があります。三叉路をまっすぐ進みます。右の道はアイフアラマ・トレイル(‘Aihualama)で、このトレイルを下るとマーノア・フォールズ(マノアの滝)に出ます。 パウオア・フラッツ・トレイルを進みます。地面がぬかるんでいることが多いので、足下に注意しながら歩きます。やがて景色が開け、ヌウアヌ・バレーを見下ろす見晴らしのよい高台に出ます。ヌウアヌ・バレーの向こうの大きな山はラニフリ(Lanihuli)と呼ばれます。ラニフリの右の崖は、有名なヌウアヌ・パリ(Nu‘uanu Pali)です。高台の近くではナウパカ・クアヒヴィ(マウンテン・ナウパカ)、レフア・アーヒヒなどの植物が見られます。帰りは来た道を戻ります。 おわり 場所:ホノルル(オアフ島) コース:往復 往復距離:約8km 高低差:約305m 「画像1」トレイルから見えるタンタラス山 「画像2」パウオア・フラッツ・トレイル 「画像3」ヌウアヌ・バレーを見下ろす高台...

ハタタテダイの話

以前、ファインディング・ニモにも出てくるツノダシと言う魚のお話をさせて頂きました。そこで、ツノダシに見た目がよく似ているハタタテダイという魚について少し触れました。先日ワイキキ水族館に行った時、北西ハワイ諸島(パパハナウモクアケア海洋国家モニュメント)の展示に、このハタタテダイが泳いでいるのを見ました。そこで今回は、ハタタテダイのお話です。 ハタタテダイは、スズキ目スズキ亜目チョウチョウウオ科に属する魚で、英語名はペナントコーラルフィッシュ(Pennant coralfish)です。背びれが長く後ろに伸びていて、これが旗を立てているみたいだという事で、この名前がつきました。この長い背びれと黒い2本の縞模様が、ツノダシと似ていると言われる所以です。ツノダシとの違いは、ハタタテダイの尾ひれが黄色に対し、ツノダシは黒という事です。また、ハタタテダイは背びれの後ろ側と胸びれも黄色です。 ハタタテダイにはよく似た種にムレハタタテダイという魚がいます。違いは、ハタタテダイは大きな群れを作らず多くても数匹程度で行動するのに対し、ムレハタタテダイは大きな群れを作ること。それともう一つ、背びれの棘が11本なのがハタタテダイで、12本なのがムレハタタテダイだということです。えーと、、、ワイキキ水族館にいたのは数匹でしたが、水槽なので大きな群を作れるほどの数は飼えませんし、背びれの棘の数は水槽外からは確認できません。もしかしたら、ムレハタタテダイなのかも、、、。次回ワイキキ水族館に行った時は、どちらかちゃんと確認したいと思います。...

ハワイのトレイルその29~ヌウアヌ(オアフ島)その2

ハワイのトレイルその29~ヌウアヌ(オアフ島)その1の続きです。ヌウアヌ・ストリームを渡ると三叉路があります。ここがジュッド・トレイルのループの開始点です。今回はループは通りませんので、まっすぐ(左手に)進みます。一帯はクック・パインという、ナンヨウスギ科の針葉樹の森です。しばらく進むと今度はジュッド・トレイルとヌウアヌ・トレイルとの三叉路があり、標識があります。三叉路を左折し、ヌウアヌ・トレイルに入ります。 余談ですが、ジュッド・トレイルという名前は、ハワイ準州時代(1898~1959)の1915年から1939年 まで林務官長だったチャールズ・S・ジュッド(Charles S. Judd)という人物の栄誉を称えて1953年に付けられたものです。ジュッド・トレイルのクック・パインは、彼によって植えられたものです。 ヌウアヌ・トレイルを登ります。18個のスイッチバックを経て、右手にバニヤンの木を過ぎると、景色が一変し、尾根に出ます。しばらくは明るい尾根道を登ります。尾根道ではコアやオーヒアなどのハワイ原産の植物が見られます。オーヒアの花の蜜を吸いにくるオアフ・アマキヒの姿も見れるかもしれません。 その3につづく  ...

Ulua(ウルア)の話

先日、娘二人を連れてワイキキ水族館に行ってきました。1才になったばかりの次女にとっては初めてのワイキキ水族館で、どんな反応を示すかと思っていたのですが、なかなか楽しんでくれたようです。一番興味を示していたのは、やはり大型の魚達が泳ぐ一番大きな水槽“Hunters on the reef”(サンゴ礁の狩猟者)でした。今回は、この水槽の中で泳ぐ大型肉食魚、Ulua(ウルア)のお話をさせて頂きます。 ウルアというのはハワイ語で、日本語ではロウニンアジ、英語ではGiant trevallyやJack fishと呼ばれています。ちなみにハワイ語のウルアはロウニアンアジだけでなく小型のアジも含みます。日本語の「アジ」という名前が指す通り、スズキ目アジ科に属する魚で、アジの仲間では最も大きいものです。体の大きさと顔の厳つさに気を取られて分かりにくいですが、よく見ると確かにその体は巨大なアジです。記録に残っている最大の個体は体長170cm、体重は約90kgですが、通常は体長80cm位、体重50kg程度までのものが多いです。 ウルアは肉食魚の中でも食物連鎖の頂点に立つ魚(頂点捕食者)で、小型の魚やエビ・カニ、タコなどを捕食します。ウルアに限らず頂点捕食者というのは、生態系全体を維持するのに重要な役割を果たしています。比較的自然な状態の生態系が保たれている北西ハワイ諸島では、ウルアが頂点捕食者全体の70%以上を占めています。しかし、その大きさから釣りの対象として人気があるため、人間の住むハワイ主要8島沿岸では個体数が少なくなってきているのが現状で、昔のような健全な生態系が維持できないことが危惧されています。...

ハワイのトレイルその29~ヌウアヌ(オアフ島)その1

ヌウアヌ・バレーからスイッチバックの山道を尾根まで上り、ヌウアヌ・バレーとヌウアヌ・パリを見下ろす高台まで行くコースです。ジュッド(Judd)、ヌウアヌ(Nu‘uanu)、パウオア・フラッツ(Pauoa Flats)という三つのトレイルを繋ぎます。 ホノルルから行く場合は、パリ・ハイウェイ(Highway 61)をカイルア方面に北上し、ヌウアヌ・パリ・ドライブを右折します。しばらく進むとY字路があり、ここを右に進みます。すぐにヘアピンカーブがあり、カーブが終わるとすぐ右手にジュッド・トレイルのスタート地点があります。わかりにくいですが、ジュッド・トレイルの入り口を示す標識もあります。 駐車場はありませんので、車の場合は入り口付近に路上駐車します。バスの場合は4番バスでヌウアヌ・パリ・ドライブまで行き、トレイルの入り口までヌウアヌ・パリ・ドライブを約1.5km歩きます。トレイルのスタート地点から、川(ヌウアヌ・ストリーム)までおります。この川の岩を伝って渡ります。岩は滑りやすいので足下に注意しながらゆっくり渡ります。 その2につづく 「画像1」ヌウアヌ・トレイルの尾根道 「画像2」ジュッド・トレイルの入り口 「画像3」ヌウアヌ・ストリーム...

ウィーディーシードラゴンの話

ここでも以前タツノオトシゴのお話をさせて頂きましたが、タツノオトシゴはとても面白い魚(その時もお話ししましたが、実は魚なんです)なので、私の好きな魚の上位に入ってきます。しかし、そのタツノオトシゴよりも更に好きなのが、親戚であるリーフィーシードラゴンやウィーディーシードラゴンです。今回は、その一つのウィーディーシードラゴンのお話をさせて頂きたいと思います。   ウィーディーシードラゴンはタツノオトシゴと同じ、トゲウオ目ヨウジウオ科に属する魚ですが、オーストラリアの南部とタスマニア島にだけに生息しています。その細長い口をストローのように使い、主にアミなどの小型の甲殻類を吸い込むようにして食べています。見た目はタツノオトシゴに似ていますが、体が大きく最も大きいもので45cm以上になります。体の色は茶色っぽく、黄色い斑点がたくさんあり、海藻の葉のような付属器官があるのが特徴です。タツノオトシゴとの一番の違いは、タツノオトシゴの尾が何かに巻き付く事ができるのに対し、ウィーディーシードラゴンの尾は巻き付く事ができず、海の中を漂うようにして泳いでいる事です。ウィーディーシードラゴンもタツノオトシゴと同じように、メスが産んだ卵をオスが育児嚢で育て、孵化させ出産します。 写真はサンシャイン水族館のものですが、以前ワイキキ水族館でも以前展示されていた事があり、その時はとてもうれしかったです。今度はリーフィーシードラゴンも展示してくれると嬉しいな、と密かに期待しています。...

ハワイのトレイルその28~ココ・クレーター植物園(オアフ島)

ココ・クレーター植物園(Koko Crater Botanical Garden)は、オアフ島の東側に位置するココ・クレーターの、クレーター内にある植物園です。一帯の乾燥した気候に適した植物が特に多く植えられています。植物園はセミループのトレイルになっていて、名前や原産地が記された植物を楽しみながら一時間程度の手軽なハイキングを楽しむことができます。 園内には、ハワイの植物の他に、アフリカやマダガスカルの植物、サボテン類、ヤシ類、プルメリアなどが植えられています。植物園の入り口から始まるプルメリア園では、さまざまな種類のプルメリアを見ることができます。プルメリア園を抜けると、簡易トイレがあり、ここからループトレイルが始まります。 ココ・クレーター植物園はホノルル市によって管理されています。2014年10月現在、開園時間は毎日日の出から日の入りまで。クリスマス(12月25日)と元旦は休園。入場無料。駐車場完備。お手洗いは簡易トイレのみ。園内に商店や飲料水はありません。日差しが強いことが多いので、飲料水を持っていかれることをお勧めします。 場所:ココ・ヘッド(オアフ島) コース:セミループ 往復距離:約3.2km  ...

トラフザメの話

以前サメのお話をさせて頂きましたが、サメにもホオジロザメのような人を襲うサメから、ジンベエザメのように大きいけどプランクトンを食べるサメまで、色々な種類があります。その中で私が一番好きなのはやはりジンベエザメなのですが、2番目に好きなのがトラフザメというサメです。そこで今回は、このトラフザメのお話をさせて頂きたいと思います。 トラフザメは軟骨魚類網テンジクザメ目トラフザメ科トラフザメ属に属するサメです。特徴的なのは成体の体表の斑点で、ヒョウ柄のような模様をしています。また、背側に5本の隆起線があり、尾ビレが他のサメに比べてとても長いので、体をうねらせるような独特の泳ぎ方をします。目が小さく、そのため顔がとても可愛く見えるのです(少なくとも私にはですが・・・)。 トラフザメは夜行性で、昼間は海底であまり動かずにじっとしていますが、夜になると餌の貝類やエビ・カニなどを捕るために活発に動きます。おとなしくて人を襲う事がほとんどないため、ダイバーにも人気があります。また飼育も簡単なので水族館でもよく見られ、ワイキキ水族館にもいます。サンシャイン水族館では、ダイバーのお姉さんがトラフザメに抱きついて泳いでいるのがすごく可愛かったです。私もトラフザメに抱きついてみたいな、と思ってしまいました。...