ハワイからのコンテンツ: 全コンテンツ

ハワイのトレイルその26~クムウェラ&ワイニニウア(カウアイ島)

カウアイ島のコケエ州立公園にあるハイキングコースです。クムエラ・ロード、ワイニニウア・トレイル、再びクムエラ・ロード、クムエラ・トレイル、そして最後に再びクムエラ・ロードに戻ってくるセミループです。ハイキングは、コケエ・ロッジの駐車場からスタートします。駐車場から徒歩でハイウェイ550を左に曲がります。すぐに、右側に未舗装の道路(クムエラ・ロード)がありますので、ハイウェイから離れてクムエラ・ロードを進みます。 クムエラ・ロードを1kmほど進むと、道がY字に分かれます。Y字を右に進みます。しばらく進むと左手にワイニニウア・トレイルの入り口があります。ここがループの開始点です。左折してワイニニウア・トレイルに入ります。 ワイニニウア・トレイルをしばらく進むと、再びクムエラ・ロードに出ます。クムエラ・ロードを右に曲がります。この辺りではアパパネやカウアイ・エレパイオ等の野鳥を見ることができるでしょう。やがて右手にクムエラ・トレイルとの交差点があります。右折してクムエラ・トレイルを進みます。コアの林の中を下ります。道は、ワイニニウア・トレイルの入り口に戻ってきます。ここでループの終了です。ここからは、最初に歩いたクムエラ・ロードをコケエ・ロッジまで戻ります。 場所:ハエナ(カウアイ島) コース:セミループ 往復距離:約6.4km 高低差:約230m...

ヒゲクジラとハクジラの話

前回、前々回と続けてクジラとイルカのお話しをさせて頂きました。冬のハワイの代名詞ザトウクジラはヒゲクジラですが、イルカはハクジラの仲間です。そこで今回は、このヒゲクジラとハクジラは何が違うのか、もう少しお話しさせて頂きたいと思います。 ヒゲクジラ亜目に属するクジラ類は歯を持たず、上あごから生えている「クジラヒゲ」を使ってオキアミや小魚など、ごく小さな生き物を大量に濾して食べます。小さな生き物を食べる割には身体が大きく、地球上で現在生息している中で最大の動物であるシロナガスクジラも、このヒゲクジラの仲間になります。一方のハクジラ亜目に属するクジラはというと、もうお分かりだと思いますが歯を持つクジラの仲間で、主に魚を補職します。ハクジラはヒゲクジラよりも小型で、イルカやシャチもハクジラの仲間です。面白いものでは、角があるイッカクもハクジラですが、実はイッカクの角は歯が変形したものなのです。 歯の有無の他にヒゲクジラとハクジラが違うところは、頭の上にある噴気腔(呼吸するための穴)の数で、ヒゲクジラは2つ、ハクジラは1つです。また、イルカは周囲の状況を高周波の音の反響で探るエコロケーションを行いますが、ヒゲクジラにはその能力がありません。以前にも何度かお話しましたが、イルカとクジラには生物学的に明確な違いはありません。体長が4m以下のハクジラの仲間をイルカと呼んでいるだけなのです。...

ハワイのトレイルその25~マキキ・バレー・ループ(オアフ島)2

マキキ・バレー・ループ(オアフ島)1の続きです。カネアロレ・トレイルでは、川(カネアロレ・ストリーム)に沿って緩やかに登ります。序盤ではハワイの植物が植えられていて、植物園のようにそれぞれの植物の名前などが記された標識が設置されています。蚊が多いので、立ち止まって植物や景観をゆっくり観察する場合は、虫除けスプレーを使用した方がいいかもしれません。 カネアロレ・トレイルの最終地点には標識があり、マキキ・バレー・トレイルとのT字路になっています。ここを右折し、マキキ・バレー・トレイルを進みます。すぐにカネアロレ・ストリームを渡り、谷間を進みます。やがてモレカ・ストリームに架かる小さな橋があります。橋を渡って、長い上り段を登ります。 やがてマキキ・バレー・トレイル、ウラカア・トレイル、マウナラハ・トレイルが交差する広い4叉路にでます。それぞれの道に標識がありますので、標識に従ってマウナラハ・トレイルを進みます。主に湿った谷間を登ってきたこれまでとは違って、マウナラハ・トレイルではユーカリの林の乾燥した尾根を下ります。道は岩が多く、木の根が地面上にむき出ていますので、足下に注意しながら下ります。トレイルはやがてスタート地点に戻り、これでループトレイルの終了です。   場所:ホノルル(オアフ島) コース:ループ 往復距離:約4km 高低差:約240m  ...

イルカの話

前回はザトウクジラのお話をさせて頂きましたが、クジラの仲間で誰からも人気な動物といえばイルカですね。多くの水族館でイルカショーは目玉になっています。ハワイのシーライフ・パークでもイルカショーをやっていますが、やはり何度見ても楽しいものです。そこで今回は、イルカのお話をさせて頂きたいと思います。 イルカはクジラ目ハクジラ亜目に属する哺乳類で、その中でも特に約4m以下の小型のものをさします。実はイルカとクジラに生物学的に明確な差はなく、体長4mを境にそれより小さいものをイルカ、大きいものをクジラと呼ぶことが多いです。イルカは餌を探したり周囲の状況を知る手段としてエコロケーション(反響定位)を使います。エコロケーションとは、自分が発した音が何かに当たって返ってきたものを受信することによって、その物と自分の位置関係を知る方法です。面白いのは、イルカは返ってきた音を耳ではなく下あごで受信し、その振動が骨を伝って内耳に届くということです。 イルカについてもう一つ面白いのが、イルカは脳の半分を片側ずつ交互に眠らせることができるらしいということです。右の脳が寝ている時は左目を閉じ、反対に左の能が寝ている時は右目を閉じているらしいです。以前、シーライフ・パークでも片方だけ目をつぶっているイルカを見た事がありますが、あのイルカも半分だけのを眠らせていたのでしょうか?私もそんな器用なことができたら便利だな~、とちょっとうらやましく思いました。...

ハワイのトレイルその25~マキキ・バレー・ループ(オアフ島)1

ワイキキから車で10分ほどの近場のマキキ・バレーにあるハイキングコースです。実際にはカネアロレ・トレイル、マキキ・バレー・トレイル、マウナラハ・トレイルという3つのトレイルを通ります。 ワイキキから車で行く場合は、McCully Streetを山側へ進み、Lunalilo Freeway(H-1)をこえて、Wilder Avenueを左折します。Punahou Streetをこえて、2ブロック進んだところにあるMakiki Streetを右折します。やがてY字路がありますので、左のMakiki Heights Driveを進みます。道路が左にヘアピンカーブする直前に真っすぐ進む道があります。ここが入り口です。ゲートの手前左側にハイカー用の駐車場(未舗装)があります。トレイルの入り口は駐車場から舗装された道をもう少し奥に進んだところにあります。右側にある屋根付きのテーブルとトイレが目印です。 トイレの先にある橋を渡ると、正面にトレイル入り口の標識と掲示板があります。ここでこの辺り一帯のハイキングコースの地図(英語)などを入手することができます。標識に従って左に進みます。しばらく進むとベンチがあり、道が左右に分かれます。今回紹介するコースは、一周してスタート地点に戻ってくるループトレイルです。ここでは、左のカネアロレ・トレイルから始める時計回りの道順で紹介します(右はマウナラハ・トレイル)。 2へ続く...

ザトウクジラの話

常夏と言われるハワイですが、1年を通して微妙な季節の移り変わりを感じる事はできます。雨が多くなり肌寒くなってくると、今年も冬が来たな、と思います。冬のハワイといえばクジラ。船でホエールウォッチングのツアーに行かれた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?ハワイでこの時期見られるのはザトウクジラです。そこで今回はこのザトウクジラのお話をさせて頂きます。   ザトウクジラはヒゲクジラ(上あごについたクジラヒゲでオキアミや小魚などをこして食べるクジラ類)の一種で、体長は11-16m、体重は25-30tにもなります。以前、生まれたばかりの子クジラの死体解剖のお手伝いをした事がありますが、その子ですら1t以上ありました。非常に長い胸びれと、上あごと下あごにあるこぶが特徴です。ハワイに現れるザトウクジラは、夏の間は北極付近で主に捕食をし、冬になると繁殖活動、出産、子育てのために暖かいハワイにやってきます。 ザトウクジラは尾びれの内側(腹側)の白黒模様が個体によって異なるので、この模様によって指紋のように個体識別をする事ができます。また、ブリーチングと呼ばれるジャンプをするので、運が良ければ陸からでもその姿を見る事ができます。私もハナウマ湾の先を車で通っている時に3回連続ジャンプを見る事ができました。冬のハワイでハナウマ湾方面にドライブされる時は、展望台に立ち寄って海を眺めてみると、クジラのジャンプが見られるかもしれません。...

ホンセイインコ

ホンセイインコは、アフリカ中部、アフリカ北東部、インド、ネパール、ミャンマー、スリランカなどに分布するインコです。ハワイでは、飼われていたものが逃げ出して野生化し、特にオアフ島とカウアイ島に多く生息しています。マウイ島とハワイ島でも少数確認されています。日本でもハワイと同じようにかご抜けしたものが東京などで野生化しています。 全長約41cm。体は黄緑色。青緑色の長い尾と、よく目立つ赤い嘴が特徴です。雄には嘴から後頸にかけて黒い輪があります。未成鳥の嘴は黒色です。ハワイではトウモロコシ、ライチ、パパイヤなどの農作物を食べる害鳥とされています。民家の庭に植えられているピーマンをも食べるそうです。他のインコ類と同じように、木の空洞部に巣を作ります。夜はロイヤル・パーム(ダイオウヤシ)をねぐらにするのを好みます。 カウアイ島ではコロアからハナペペの間や、リフエなどで見られます。オアフ島ではカピオラニ公園、ハワイ大学マノア校、フォスター植物園、カピオラニ・コミュニティ・カレッジ、カイムキなどの住宅地で「ギーギー」と鳴きながら数羽の群れで飛んでいる姿や、アイアンウッドやマンゴーの木などに数羽で止まっている姿が見られます。 日本語名:ホンセイインコ(本青鸚哥) ハワイ語名:― 英語名:Rose-ringed Parakeet 学名:Psittacula krameri 分類:オウム科(Psittacidae) その他:外来種(alien) ——————————————————————— 「画像2」 「画像3」カピオラニ公園...

海苔の話

我が家の6歳になる長女は最近海苔が大好物。彼女の学校では休み時間に食べるおやつを持参する事になっているのですが、味付け海苔を持って行く事もしばしば。海苔は紅藻類の海藻をシート状の板海苔と呼ばれるものに加工したものです。今回は、日本人にとって最も馴染みのある海藻の一つ、海苔のお話をさせて頂きたいと思います。 海苔の原料となる海藻はウシケノリ科アマノリ属(科学名Porphyra)に属しています。Porphyraの仲間はハワイにも一種類存在し、ハワイアンも食用として採取していました。しかしオアフ島ではあまり見かけられず、見られる季節も限られているので、私がまだ学部生で海藻のクラスを取っていた時にこの海藻を見つけた時は、助手の大学院生に「僕も見た事ないのにスゴイね。」と褒められました。 昭和20年代前半まで、海苔の養殖は網などを海中に張り、そこに自然に胞子が付着して海藻が育つのを待つだけでした。しかしイギリスのDr. Kathleen Drew Baker が、海苔の胞子が春から秋まで、貝殻の中に潜り込んで 過ごす事を発見しました。この貝殻の中で生息している状態は糸状体と呼ばれ、海苔とは全く異なる姿形なのです。Dr. Drew Bakerの発見から日本の海苔の養殖は一気に発展しました。現在は人工採苗と言う、糸状体を貝殻の中で人工的に育て、糸状体からできる胞子を網に付着させて海苔を育てる養殖法になっています。海苔の養殖漁場として有名な有明海沿岸の宇土市には、Dr. Drew Bakerの功績を讃える碑が立っていて、毎年4月14日には「ドゥルー祭」が開催されます。...

ハワイのトレイルその24~ウィリウィリヌイ(オアフ島)

ウィリウィリヌイは、オアフ島の東半分に長く連なるコオラウ山脈の山頂の一つに登るトレイルです。ホノルルからコオラウ山脈の山頂に達することができるトレイルは、ラニポ、クリオウオウ・リッジ、ハワイロア・リッジなどがあり、どれもローカルのハイカーに人気があります。ウィリウィリヌイも、それらの人気トレイルの一つです。 ワイキキ方面から車で行く場合は、Kalaniana’ole Highwayを東に進んで、Laukahi Streetを左折します。Laukahi Streetを上って行くと、やがてガードステーションがあります。ここで係員にウィリウィリヌイにハイキングに行くことを伝えて、駐車許可証を入手します。さらに進んで、’Oko’a Streetを左折します。車で行ける道が終わる手前の駐車場に車を止めて、ここからハイキングをスタートします。 まずは舗装された一車線の道を進みます。やがて舗装路は終わり、未舗装の道を登ります。登るにしたがって右手にココ・クレーターやココ・ヘッドの良い眺めが広がります。さらに登るとコア、オーヒア、マウンテン・ナウパカ、コーピコなどのハワイ固有種の植物が見られるようになります。最後の急な登りを登りきると、コオラウ山脈の山頂に達します。山頂からは、ホノルルとウインドワードの両岸を眺めることができます。帰りは、来た道を戻ります。 場所:ココ・ヘッド(オアフ島) コース:往復 往復距離:8.0km 高低差:396m...

エイの話

以前、エプソン品川アクアスタジアムで出会ったノコギリエイとマンタのお話をさせて頂いた事があります。今年の夏に行ったサンシャイン水族館でも、大きな水槽にマンタが悠々と泳いでいました。そういえば、子供の頃は水族館で見るエイのお腹が顔のように見えるのが面白くて、結構好きな魚だったのです。そこで今回はエイのお話をさせて頂きたいと思います。 エイはサメとともに軟骨魚類に属する魚で、他の魚と違い全身の骨が軟骨でできています。サメとエイは鰓(エラ)の付いている場所で区別されます。鰓が体の側面についているのがサメ、腹側についているのがエイです。 顔のように見えるエイのお腹ですが、目のように見える二つの穴が鼻孔です。本当の目は背側についています。お腹の下のほうに左右に5~6対あるのが鰓です。体が水平方向に平らで胴と胸びれが一体になっていて、その胸びれをひらひらさせて泳ぐのが特徴です。 細長い尻尾もエイの特徴ですが、アカエイなど尾の先に毒針を持つ種類もあります。アカエイの毒針は背びれが変化したものです。アカエイは日本の沿岸でも良く見られ、浅い砂底に潜って生息しています。子供の頃、潮干狩りに行った時、「アカエイに注意」の看板があったのを覚えています。刺されるのは怖いけど、水族館で見るあの「かわいい顔」のエイが本当にいるなら見てみたいな、と思ったものでした...