ハワイからのコンテンツ: 海の中を覗いてみれば

サメの話

  もうすぐイースターということで、ハワイでも週末はあちこちでエッグハントが行われます。この週末はワイキキ水族館で恒例の”Sea Hunt”というイースターイベントがあり、娘を連れて行ってきました。最近娘はなぜかサメがブームのようで、水族館でもサメを興味津々に見ていました。そこで今回はサメのお話をさせて頂きたいと思います。サメというとジョーズのような恐ろしい人食いザメのイメージがありますね。ハワイでも時折サーファーがサメに襲われることがありますが、実は人を襲う種類は全体の1割程度にすぎません。世界最大の魚であるジンベエザメなどはプランクトンを主食としています。 一般的な魚である硬骨魚類には浮き袋があって、浮力の調整をしていますが、サメやエイには浮き袋がありません。その代わり、海水より比重の軽い油(肝油)を大きな肝臓に蓄えて浮力調整をしています。しかし、海水より重い体全体の比重には肝油だけでは不十分で、水中で沈まずに留まっているためには泳ぎ続けていなければなりません。     ジンベエザメなどプランクトン食のサメの口にはとても小さな歯が300本以上も生えています。これに対し、肉食性のサメの口には鋭い歯が数列並んでいます。サメの歯は継続的に交換され、使われている歯列の内1本でも抜けると、すぐ後ろの新しい歯列に押し出される形で今使われている歯列が揃って抜けます。サメの歯の化石が売られているのをご覧になったことはありますか?私も小学生の時に買ったものを未だに大切に持っています。サメの骨格は全身軟骨で出来ているため、ほとんど化石として残らないのですが、軟骨で出来ていない歯だけは化石となって発見されるのです。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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二枚貝の話

この週末はひな祭りでしたね。ハワイでもひな祭りは”girls day”と言ってお祝いします。ひな祭りと言えばハマグリのお吸い物ですが、あいにくこちらではハマグリが手に入らなかったので、代わりにアサリに似たマニラクラムでお吸い物を作りました。そういえば、アサリや蛤などの二枚貝には左右があるのをご存知ですか?今回は二枚貝のお話をしたいと思います。 二枚貝は軟体動物門二枚貝網に属する生き物を指します。二枚貝の左右の見分け方ですが、まずアサリやハマグリなどの二枚貝を、蝶番(ちょうつがい、二枚の貝が付いている部分)の方が上になるように持ちます。上の蝶番側が背側、反対側の貝が開く方が腹側になります。次に蝶番の部分を見ると、殻頂(一番出っ張った部分)の片側に、二枚の貝をくっつけている靭帯(結合線維)があるのがわかります。この靭帯のある方が貝の体の後方、ない方が前方です。殻頂を上にして、靭帯が殻頂より自分側に来るようにして持った時、左側にあるのが左の殻、右側にあるのが右の殻です。ちょっとややこしいですが、次回アサリを食べる時には是非貝殻を見てやってみてください。 ところで、先程お話したマニラクラムですが、マニラと名が付くものの、メインランドで取れる貝のようです。日本のアサリと味は似ていますが形は多少大きく、アサリとは別の属に分類されています。ハワイでアサリと付く料理には大抵マニラクラムが使われていますので、是非味わってみて下さい。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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ヒトデの話

先日、教えている授業の中でヒトデの出て来るビデオを見ました。ヒトデといえばやはり、星形の体が一番の特徴ですよね。ちなみにうちの娘は小さい頃、星形を覚えるより先にヒトデを覚えてしまったので、星形を見ると「お星様」と言わずに「ヒトデさん」と言っていました。今回はそんなヒトデのお話です。 ヒトデはウニやナマコと同じ棘皮動物の仲間です。英語では見た目通りsea starとかstarfishと呼ばれます。ほとんどのヒトデは5本の腕を持っていますが、中にはオニヒトデのように何十本と腕を持つものもいます。ヒトデをひっくり返してみると腕の裏にたくさんの管足という小さな足が付いていて、この足を使って動いています。管足の先は吸盤になっているので、岩などにも垂直に貼付けるのです。また、ヒトデは腕が無くなっても、その部分を再生させることができます。たまに1、2本の腕が他の腕より短くて、いびつな星形のヒトデを見かけますが、これは失った腕がまだ再生途中だからです。 見た目は星形でかわいらしいヒトデ。でも餌を食べる時は口から内蔵の一部(胃)が出てきて、体外で餌を消化します。ヒトデの口は、体の裏側の中央にあります。2枚貝なども管足でこじ開けて、口から出した胃で消化して食べます。ちょっと怖いですよね。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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ナマコの話

初めてのグアムの海で泳いだ時、底まで見えるキレイな海もさることながら、海底にナマコがたくさんいることがとても衝撃でした。 真っ黒で巨大なナマコは動かないのに不気味で、素足で踏まないように細心の注意を払い、サンダルをはいて泳いでいたのを思い出します。今回はそんなナマコのお話です。 ナマコはウニやヒトデと同じ仲間で、棘皮(きょくひ)動物門に属しています。 細長い体の片側の端が口、反対側の端が肛門になります。 英語名はSea Cucumber(海のキュウリ)です。 形は細長いですが、輪切りにしてみると棘皮動物の特徴である五放射相称(対称軸が5本引けること)をしています。私がナマコに関して一番面白いと思う特徴は、身の危険を感じると肛門から内臓を吐き出すことです。 多くのナマコはキュビエ器官という白い糸状の器官を持っていて、これが敵にネバネバと張り付いて動きを妨害します。このキュビエ器官は、吐き出されてもしばらくするとまた再生するそうです。 しかし、ただでさえ見た目がちょっとグロテスクなのに、体内から内蔵が飛び出してきたらさらにグロイですよね・・・。 以前ナマコの解剖中に、アメリカ人のクラスメートが日本人はナマコを食べるとどこかで聞いたらしく、かなり引き気味でした。でも私もナマコは食べたことありません。 「君も食べるの?」と聞かれた私は思わず「私はちょっと無理。日本人でもみんなが食べる訳じゃないんだよ~。」と言ってしまいました。 写真: ナマコとウニ     powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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フグの話

ハワイは最近寒い日が続いています。 もちろん日本と比べたら全然暖かいのですが、普段もっと暖かい分、暖房器具や衣服、寝具など防寒対策が全く無いのが難点。 この季節、我が家では鍋をすることが多くなります。 私の個人的な好みですが、冬の鍋で一番好きなのはふぐちり。 ふぐちり以外でも、ふぐ刺しや唐揚げなど、とにかくフグが好きなんです。 さすがにハワイではそうそうフグを頂く機会はありませんが・・・。 今回は、大好きなフグのお話です。 フグはフグ目フグ科に属する魚です。 フグといえば怒ると膨れるのが特徴ですよね。 膨れると体積が2倍以上になるそうです。 グの英語名は”pufferfish”ですが、これは文字通り「プッと膨れる魚」という意味です。 フグのもう一つの特徴といえば毒。 フグの毒は、テトロドトキシンという名前の神経毒です。 実は天然のフグはこの毒を自分自身で生産している訳ではなく、餌として食べる貝などから体内に取り入れます。 では、フグ毒を作っているのが餌の貝かというとそれも違います。 フグ毒を作っている大元は実は海中に生息する細菌で、この細菌の死骸が海底に沈み、次に海底の泥に含まれる有機物を餌とする貝などの体内に入り、最終的にその貝を食べるフグの体内に取り込まれるのです。 フグには毒に対する耐性があるので、毒を持った貝を食べても大丈夫なのです。 また、養殖のフグは毒を持たないのですが、これは人間が与える餌に毒が含まれていないからです。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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エビの話

サンゴサラサエビとハーレクインシュリンプ ロブスター   年が明けてから既に十日ほど経ってしまいましたが、皆様新年明けましておめでとうございます。 2013年もどうぞよろしくお願い致します。 ハワイでも新年はおせち料理を頂きます。 本当は自分で作ることができればよいのですが、我が家は毎年とあるところで購入しています。 そのお節の中に、エビとロブスターが入っていました。 そこで今回は、このエビのお話です。 一般的に”エビ”と呼ばれているのは、節足動物門、甲殻亜門、軟甲網、十脚目に属する生き物のうち、ヤドカリとカニの仲間を除いたものです。 英語で日本語の”エビ”に当たる単語は3つあり、大きさで使い分けられています。 車エビくらいの大きさのものは“prawn”、それより小さいものは“shrimp”、車エビより大きく伊勢エビくらいの大型のものは“lobster”になります。 しかしレストランでは、車エビ程度の大きさのてんぷらでも大抵”shrimp tempura”といわれているので、実際には“shrimp”と“prawn”の違いは結構曖昧なのではないでしょうか。   エビといえばやっぱり一番の特徴は殻ですね。 この殻はキチン質でできています。 体は頭胸部と腹部の2つに分けられ、頭胸部には全部で13対もの付属肢が付いています。 付属肢は前から2対の触覚、大あご、2対の小あご、3対の顎脚と5対の歩脚となっています。 ちなみに、ロブスターやザリガニの持つハサミは第一歩脚の先がハサミのようになって大きく発達したもので、主に敵の威嚇のために使われます。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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ミッドウェイ環礁の思い出-その2

ミッドウェイ環礁で見たハワイアンモンクシール 2012年ももうあと数日で終わりですね。 これを書いている現在はハワイ時間のクリスマスイブです。 そんな2012年最後のコラムは、前回の続き、ミッドウェイ環礁の思い出その2です。 ミッドウェイには前回ご紹介したフレンチレストランとカフェテリアの他にバーのようなお店が2店ありました。 私たちも滞在中、観光客のお世話をしてくれるスタッフの方や他の観光客の方と何度かご一緒させて頂きました。 何しろ狭い島ですので、観光客も含め、顔見知りにならない人はいないのです。 もちろん犯罪を犯しても逃げ場も無いということで、警察もいませんでした。 島内での移動は基本的に徒歩、自転車、ゴルフカートで、自動車は確か1、2台しかありませんでした。 ちなみに私たちは1週間レンタサイクルしました。 島内にあるお店といえばお土産屋さん兼日用雑貨店の1店しか無く、私たちの滞在時期は雨期でダイブショップ等も閉まっていたため、滞在中はほとんどお金を使うことがありませんでした。 こんなところで丸々一週間何をしていたかと言えば、お昼寝中のハワイアンモンクシールを見に行ったり、繁殖期のコアホウドリが続々と島に戻ってくるのをビーチで眺めていたり、シュノーケリングしたり、朝から晩まで毎日自然を満喫していました。 ミッドウェイの素晴らしさを上手く伝え切れなかった気がしますが、確実にいえるのは、この1週間の滞在が私の人生観を大きく変えたということでしょう。 あれからなかなか訪れるのが難しくなってしまったミッドウェイ。 あの時いけたのは、本当にラッキーだったと思います。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。  ...

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ミッドウェイ環礁の思い出-その1

ミッドウェイのフレンチレストラン前にいつもいた小鳥 少し前のことですが、新聞(ホノルルスターブルティン)を読んでいると、予算が少なくなってミッドウェイ環礁の運営が縮小されるというニュースがありました。 ミッドウェイ環礁は北西ハワイ諸島の中でも唯一観光客が訪れることのできる島です。 私が訪れたのは12年前ですが、あの訪問が私のその後の人生を決めたといってもいいくらいです。 今回は、そのミッドウェイを訪れた時の思い出話をさせて頂きたいと思います。   私が訪れた頃は、ホノルルから今は亡きアロハ航空が週2便飛んでいて、まるまる1週間滞在するか、3日間もしくは4日間滞在するか選べました。折角なので、私は1週間を選びました。 ミッドウェイは1990年代の前半までは海軍の基地として機能していたので、その宿舎を改装した部屋がホテルでした。 私達が訪れていた時は、純粋な観光客は私と一緒に行った友達と、オランダから来た新婚カップルの計4名しかいなかったので、ホノルルからミッドウェイに向かう飛行機から色々と良くして頂きました。   ミッドウェイには私達観光客のお世話をしてくれる方々の他に、合衆国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)の職員や野生生物の研究者達、島の運営に携わる人々、お医者さんなどが常駐していました。 食事はほとんどの人が三食カフェテリアで食べますが、なぜか結構いい感じのフレンチレストランが一軒あって、私達のプランは朝晩はそこで食べるというのが含まれているものでした。 フランス人のシェフが料理しているだけあって、離れ小島のレストランとは思えないくらい料理がおいしかったのを覚えています。 ミッドウェイの思い出話は長くなりそうなので、次回に続きます。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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シロクマの話

上野動物園のシロクマ サンクスギビングも終わり、今年もあとはクリスマスを残すのみとなりました。 冬になると登場回数が増える動物にシロクマがあります。 ここハワイのクリスマスイルミネーションでもよく見かけます。 そこで今回は、このシロクマのお話をさせて頂きます。 シロクマはホッキョクグマとも呼ばれますが、その名の通り北極近辺に住んでいて、毛が白いのが一番の特徴です。 やはり住んでいる場所と白い体が冬を思わせるのでしょうか。 シロクマはヒグマやツキノワグマと同じ仲間ですが、体長2.5m、体重は600kgにもなり、クマの中でも最大です。 また、頭が小さい、首が長い、“なで肩”など、海で泳ぐのに適した体つきをしています。 イルミネーションなどで見るシロクマは何となくかわいいキャラクターですが、実物はかなり獰猛で、研究者がなかなか近付けないので研究が進まない、なんて話も聞いたことがあります。 嗅覚が非常に鋭く、1.5km以上離れた所にいる獲物のアザラシを探し出すことができるそうです。   さて、よく絵本やアニメなどで、シロクマとペンギンが一緒に登場することがありますね。 どちらも雪と氷に囲まれた極地に住んでいるから、同じところに住んでいると勘違いされているかもしれません。 しかし、シロクマが北極に住んでいるのに対し、ペンギンは南半球にしか存在しないのです。 ということで、シロクマとペンギンが一緒にいることは実際にはあり得ないのです。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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アオサの話

マウナルア湾で採取したアオサ 日本の海でもハワイの海でも、岩場の波打ち際でよく見る緑色の薄いシート状の海藻があります。 これは緑藻類の一種のアオサと呼ばれる海藻で、世界各地で一般的に見られるものです。 先日、教えている授業でこのアオサを取り扱ったので、今回のお話のテーマはアオサにしたいと思います。   アオサはアオサ目アオサ科に属し、学術名はUlva、英語ではSea lettuce(海のレタス)とも呼ばれます。 緑色のセロハンのような薄い断面は、顕微鏡で見ると細胞がきれいに2層に並んでいます。 ハワイ語ではLimu Pālapalaha(リム・パラパラハ)と呼ばれ、ハワイの人々も昔から食用として活用してきました。 ちなみに、現在日本で食用とされているアオサやアオノリは今回のお話の主人公Ulvaのアオサではなく、ヒビミドロ科ヒトエグサ目のヒトエグサと呼ばれる海藻です。 この海藻の面白いのは、胞子や配偶子が放出されるタイミングが月の満ち欠けと連動しているところ。 何とも不思議ですよね。   アオサは成長が非常に速く、海水が富栄養化した地域では時に大増殖して緑潮と呼ばれる状態になることもあります。 ここハワイでも、特にマウイ島の人口の多い地域で度々大量発生し、問題となっています。 その原因はマウイ島の排水処理のやり方に問題があるからだといわれていますが、それに反対する意見もあり、簡単には解決しそうにありません。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...