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プア・ケニケニ

プア・ケニケニは、南太平洋原産の灌木です。ハワイの花好きな人々のあいだでとても人気があります。花は香りがよく、人気のあるレイになる他、ココナッツオイルの香り付けにも使われます。ハワイでは自生していませんが、民家の庭などによく植えられています。ホノルル(オアフ島)、カフルイ(マウイ島)、ヒロ(ハワイ島)などの住宅地で多くみられます。 10m以上の高木に育つ場合もありますが、ほとんどは3m程度の灌木です。葉は光沢があり、長さは約15cm、幅は約7.5cmです。花は約5cmで、トランペットのような形をしていて、最初はクリーム色ですが時間とともに濃い黄色に変化します。果実は約2.5cmで、オレンジ色もしくは赤色です。果実は鳥たちの好物です。   ハワイ語でプア(pua)は花、ケニケニ(kenikeni)はアメリカ通貨の10セントを意味します。つまり、プア・ケニケニを直訳すると「10セントの花」となります。この名は、昔、この花一輪が10セントで売られていたことに由来するそうです。ポリネシアの伝説では重要な役割を担う木であり、神聖視されています。タヒチでは、プア・ケニケニの材から森の神タネ(Tane)の像が彫られます。 日本語名:― ハワイ語名:pua kenikeni 英語名:― 学名:Fagraea berteriana 分類:リンドウ科(Gentianaceae) 外来種(alien)...

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ハワイのトレイルその33~デヴァステーション・トレイル(ハワイ島)

デヴァステーション・トレイル(Devastation Trail)は、ハワイ火山国立公園内にあるビギナー向けのハイキングコースです。Devastation(荒廃)という名の通り、1959年の噴火によるシンダー(cinder、噴石のうち細粒のもの)で埋め尽くされた大地の中を歩くトレイルです。 トレイルの入り口へ車で行く場合、国立公園の入り口を過ぎてすぐ左折し、Crater Rim Driveを進みます。有名なThurston Lava Tubeを過ぎてしばらく進むと、Chain of Craters Roadとの交差点があります。ここを右折するとすぐに広い駐車場があります。すぐ近くに、デヴァステーション・トレイルの入り口を示す看板があります。   1959年の噴火当時は一面が死の世界となりましたが、現在は荒涼とした景色の中にオーヒアやオーヘロなどの植物が戻ってきています。アパパネ(アカハワイミツスイ)やネーネー(ハワイガン)などの野鳥の姿も見られます。トレイルは、終点のプウ・プアイ展望所(P‘uu Pua‘i Overlook)まで舗装されています。プウ・プアイは、1959年の噴火でできた丘です。噴火時には、溶岩がプウ・プアイの5倍の高さにまで吹き上がったそうです。プウ・プアイ展望所からは、キーラウエア・イキ・クレーターを見下ろすことができます。帰りは、来た道を戻ります。 場所:ハワイ火山国立公園(ハワイ島) コース:往復 往復距離:約1.6km 高低差:約13m ——————————————————————— 「画像1」デヴァステーション・トレイル(奥に見える丘がプウ・プアイ) 「画像2」トレイルの入り口 「画像3」オーヒアとアパパネ(アカハワイミツスイ)...

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プルメリア

プルメリアは、丈夫で繋ぎやすく香りの良いレイフラワーとして、または見栄えの良い庭木として、ハワイで最も人気のある植物の一つです。ハワイでの人気の高さと数の多さから、ハワイ原産の植物だと思われることが多いのですが、メキシコやグアテマラなどの熱帯アメリカが原産です。生長は遅いとはいえ栽培しやすい木で、折った枝から育てることができます。低地から標高1,000mくらいまでのいたるところに植えられています。 ハワイには1860年に、植物学者ウィリアム・ヒレブランド(William Hillebrand)によって持ち込まれました。ヒレブランドによって植えられたプルメリアの木が、ホノルル市内のフォスター植物園に現存します(画像2)。当時ヒレブランドは、この地で暮らしたのだそうです。 プルメリアには、さまざまな交配種があります。近年はハワイ大学によって交配が行われていて、多くのバリエーションは自然交配から派生したものであるそうです。オアフ島西部にあるココ・クレーター植物園には、プルメリア園があり、さまざまな品種のプルメリアを見ることができます。 日本語名:― ハワイ語名:pua melia 英語名:plumeria 学名:Plumeria L. キョウチクトウ科(Apocynaceae)インドソケイ属(Plumeria) 外来種(alien) ——————————————————————— 「画像1」色とりどりのプルメリアの花たち 「画像2」フォスター植物園に現存する、ヒレブランドによって植えられたプルメリア 「画像3」ココ・クレーター植物園のプルメリア園 「画像4」レイ・レインボー(Lei Rainbow)という品種のプルメリア...

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コウラウン

コウラウンは、ヒヨドリ科に属するアジア原産の鳥です。英語名のRed-whiskered Bulbulは、「赤い頬髭のヒヨドリ」という意味です。ハワイでは、オアフ島で外来種として定着しています。1965年頃に鳥かごから無許可で放されたものが繁殖したと考えられています。同じくオアフ島で外来種として定着しているシリアカヒヨドリと同様、農作物に被害を与える害鳥とされています。 インド、ミャンマー、タイ、中国、マレーシア、インドシナに分布します。ハワイではオアフ島のみに生息します。オアフ島以外の島での目撃情報は、すぐにハワイ州のDepartment of Land and Natural Resourcesに報告されるべきです。ハワイ以外では、モーリシャス島やフロリダ州などにも移入されています。 全長18cm、雌雄同色。上面は濃い茶色、下面は白色です。直立した黒い冠羽と目の横の赤い班、白い頬などが外見の特徴で、ハワイでは他に似ている鳥はいないのですぐに見分けられます。尾は黒色、尾の先端は白色、下尾筒は赤色です。森の谷間やホノルルの町中を小さな群れで行動します。虫や果実を食べます。   日本語名:コウラウン(紅羅雲) ハワイ語名:― 英語名:Red-whiskered Bulbul 学名:Pycnonotus jocosus 分類:ヒヨドリ科(Pycnonotidae) その他:外来種(alien)...

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ゴールドツリー

ゴールドツリーは、中央アメリカと南アメリカが原産の高木です。ハワイではフォスター植物園(Foster Botanical Garden)に最初に植えられました。花が咲いているときには、葉がほとんどなく、木全体が黄金色に輝いているようで、遠くからでもたいへん目立ちます。 リーフエ(カウアイ島)、ホノルル(オアフ島)、ラハイナ(マウイ島)などの、晴れ空が多いリーワード(leeward、貿易風の風下側)で特に多く植えられています。幹は真っ直ぐ伸び、枝は地面から高い位置で生えるため、多くの場合、花を下から見上げることになります。そのため、リーワードの澄んだ青空と黄色い花とのコントラストが特に印象的です。 樹高は大きなもので約25mになります。樹皮は明るい灰色です。葉は複葉で、最長約25cmの小葉が5~7枚、掌状に広がります。花はラッパのような形で、明るい黄色です。花期は2~6月で、葉がでるまで数週間咲き続けます。果実は、マメ科のさやのような細長い蒴果です。 同じノウゼンカズラ科のシルバートランペットツリーとよく似ており、混同されることがあります。シルバートランペットツリーの花は長さが5~7cmなのに対して、ゴールドツリーの花はやや小型で、長さは約4cmです。また、シルバートランペットツリーは樹皮の色が濃く、葉は銀色味を帯びています。 日本語名:― ハワイ語名:― 英語名:gold tree、primavera 学名:Tabebuia donnell-smithii (Roseodendron donnell-smithii) ノウゼンカズラ科(Bignoniaceae) 外来種(alien)...

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ハワイのトレイルその32~ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(ハワイ島)その2

ハワイのトレイルその32~ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(ハワイ島)その1の続きです。ボードウォークが終わると、比較的平坦な舗装された道になります。トレイルは、『Palm Jungle(ヤシの木のジャングル)』、『Onomea Falls(オノメア滝)』、『Lily Lake(ユリの池)』、『Orchid Garden(ランの庭)』などと名付けられた、さまざまな区域を通ります。分かりやすい標識も点在します。『Orchid Garden』の隣には『The Founders’ Birdhouse(創設者の鳥小屋)』があり、カラフルなインコが飼われています。 トレイルの最奥部で、オノメア湾にでます。湾内にある二つの小島は、ツイン・ロックス(Twin Rocks)と呼ばれています。伝説ではは、ある若い恋人同士が、村を守るためにこの二つの島に姿を変えたのだと云われています。 2015年5月現在、開園時間は毎日午前9時から午後5時まで。最終入園時間は午後4時。サンクスギビング、クリスマス、元旦は休園。入場料は大人15ドル、6~16歳は5ドル、6歳未満は無料。駐車場、トイレ完備。ビジターセンターではトレイルマップをもらえます(英語のみ)。雨の場合には、無料で傘の貸し出しもあります。 おわり 場所:ハワイ島 コース:往復 往復距離:約2km...

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ハワイのトレイルその32~ハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(ハワイ島)その1

ハワイ島のハワイ・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(Hawaii Tropical Botanical Garden)は、ヒロの約11km北にある植物園です。オノメア湾(Onomea Bay)に注ぐオノメア川(Onomea Stream)の谷一帯が植物園となっていて、谷の雨林の中に2,000種以上(125科、750属以上)の熱帯植物が展示されています。 ヒロから車で行く場合は、ハイウェイ19号(Mamalahoa Hwy.)を北上し、7マイルを示す標識を過ぎてすぐ見える「Scenic Route」と書かれた青い標識を右折します。そこから約3.2km進むと、左手に植物園のビジターセンターがあります。コナ方面から行く場合は、ハイウェイ19号をヒロに向かって南下し、8マイルを示す標識を過ぎて間もなく「Scenic Route」と書かれた青い標識を左折し、約2.5km進むと右手にビジターセンターがあります。 園内には整備された約2kmのトレイルがあり、1~2時間かけて散策できます。トレイルは、下り坂道のボードウォークで始まります。ボードウォークは、約150m続きます。ボードウォークの坂道を登り降りするのが辛いかたは、ボードウォークを往復するゴルフカートに乗せてもらって移動することもできます(5ドル)。 その2につづく...

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マイレ

マイレは、香りのよいレイの素材として、王族から庶民まで広く愛されてきた低木です。その伝統は今日でも生きていて、結婚式、卒業式、授賞式などの式典では、マイレで作ったレイは欠かせません。ただし、流通しているマイレのほとんどは、クック諸島やトンガからの輸入品です。 オーストラリア、ニューカレドニア、ポリネシアの島々に自然分布します。ハワイでは主要6島の標高50~2,000mで見られます。葉は対生もしくは3輪生(茎の1節に3個の葉がつく)で、同じ茎でも両タイプが見られます。葉の表は光沢があり、裏は明るい色です。葉を潰すと白い乳液が出ます。場所によって葉の形やサイズは大きく異なります。花は筒状で小さく、先に黄色の花弁が4枚あります。果実はオリーブに似ていて、オーマオ(ハワイ・ツグミ)などの鳥の好物です。樹皮を剥ぐとよい香りがします。 マイレには神秘的な力が宿っていると信じられ、特にフラの女神ラカ(Laka)に捧げる神聖な植物とされています。葉は、香りのよい長持ちする伝統的なレイになります。マイレのレイを部屋に置いておくと数週間は香りが続きます。 日本語名:― ハワイ語名:maile 英語名:― 学名:Alyxia stellata 分類:キョウチクトウ科(Apocynaceae) その他:ハワイ在来種(indigenous) ——————————————————————— 「画像1」マイレ 「画像2」マイレ(花) 「画像3」...

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イワシャコ

イワシャコは、ウズラを一回り大きくして色を明るくしたような鳥です。原産地はアジアと東ヨーロッパで、ハワイには1923年に移入されました。1959年にハワイに移入されたハイイロイワシャコ(英語名:Rock Partridge、学名:A. graeca)とよく似ていますが、こちらはハワイで定着しませんでした。 ハワイの主要6島すべてに生息します。モロカイ島、ラーナイ島、マウイ島、ハワイ島に多く、カウアイ島とオアフ島ではあまり見られません。標高300~3,000mの、植物が少ない乾燥した岩場を好みます。マウイ島のハレアカラー国立公園(マウイ島)やハワイ島のサドル・ロードなどで、岩の間を走っていたり、岩の上に立って辺りを見渡している姿が見られます。 全長35cm。雌雄同色。上面は灰色がかった茶色で、下面は明るい色です。喉は白色で、脇に白黒の濃い縞模様があります。額から目、首を通り胸でつながる黒色の太い線があります。耳の部分は茶色です。嘴と足は赤色です。目の周りには赤いリングがあります。鳴き声は、大きな「チャック、チャック、チャック」。英語名のChukarは、この鳴き声に由来します。雌は「コワッ、コワッ、コワッ」と鳴き、雌鶏の鳴き声に似ています。 日本語名:イワシャコ(岩鷓鴣) ハワイ語名:― 英語名:Chukar 学名:Alectoris chukar 分類:キジ科(Phasianidae) その他:外来種(alien)...

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ハワイのトレイルその31~オリンポス山(オアフ島)その4

  ハワイのトレイルその31~オリンポス山(オアフ島)その3の続きです。平地から先は、レフア・アーヒヒという、オアフ島のみで見られる珍しい植物が自生しています。有名なオーヒアの近縁種です。しばらく進むと、標識があり、道が二つに分かれます。左へ下るコロワル・トレイルは、マーノア・バレーのプウ・ピア・トレイルに繋がる道です。右のワアヒラ・リッジ・トレイルを進みます。 少し下ったあとはひたすら登りになります。左手のマーノア・バレーの向こうに見えるのはラウンド・トップとタンタラス山です。山頂近くは傾斜が急で地面も深く侵食されています。足元に気をつけながら登ります。やがてコオラウ山脈の頂に達します。ここから、すぐ右手前方にあるオリンポス山の山頂に向けて、草木の生い茂った尾根の上を進みます。やがてオリンポス山の広い開けた山頂(757.7m)に達します。 山頂からは、ホノルル側と、カネオヘなどがあるウインドワード(貿易風の風上側)の両方の景色が望めます。山頂の一番奥まで進むと、カアウ・クレーターと呼ばれる、山中に隠れたクレーターが見えます。帰りは、来た道を戻ります。 おわり 場所:ホノルル(オアフ島) コース:往復 往復距離:約9.7km 高低差:約457m 「画像1」レフア・アーヒヒ 「画像2」マーノア・バレーの向こうに見えるラウンド・トップとタンタラス山 「画像3」山頂からウインドワードを望む 「画像4」カアウ・クレーター...