ハワイからのコンテンツ: 海の中を覗いてみれば

アワビの話

Big Island Abaloneのアワビ ハワイは近年ファーマーズマーケットブーム。 オアフでも毎日島内のどこかでファーマーズマーケットが開かれています。 私も子供を連れてよく行くのですが、そのお目当てはBig Island Abalone、ハワイ島産のアワビです。 私もアワビは子供の頃から好きでしたが、それに負けないくらいうちの子供(5歳児)もアワビが大好きです。 そこで今回は、このアワビのお話をさせて頂きたいと思います。   アワビは軟体動物門ミミガイ科アワビ属の巻貝です。 皿状の貝殻を持ち、成長したアワビは5cmから大きいもので20cmにもなります。 主に岩場の水深20mくらいまでのところに生息していて、主食はワカメやコンブなどの海藻(褐藻類)です。 アワビの殻はよく見ると4-5個の穴があいているのですが、これはえら呼吸のために吸い込んだ水や排泄物を体外に出すためのものです。 アワビには属に「肝」と呼ばれる部分がありますが、これは実は生殖腺で、ここが緑色のものが雌、クリーム色のものが雄です。   Big Island Abaloneのアワビはハワイ島のコナ・コーストで養殖されています。 元になっているのは日本から取り寄せたエゾアワビだそうです。 アワビの養殖には深海から汲み上げた海洋深層水を使い、餌となる海藻も自前で養殖しているということです。 ファーマーズマーケットでは新鮮なアワビをその場で焼いてくれるので、是非食べてみて下さい。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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Ka Uluwehi O Ke Kai の海藻

Limu Līpoa Limu Kohu このコラムでは時々外来種の海藻のお話をさせて頂きます。 前回も外来種の海藻除去に活躍するウニのお話でした。 外来種の海藻が問題になっているということは、もちろんそれに脅かされている原生種の海藻もある訳で、そういえば自生種の海藻についてはあまりお話ししたことが無いことに気付きました。 ハワイの人々は昔から海藻を食事に取り入れていました。 そこで今回は、有名な歌にも出てくるハワイの海藻のお話をしたいと思います。   Edith Kanaka`o作のKa Uluwehi O Ke Kaiに出てくる海藻は2種類。 一つ目はLimu Līpoa (リム・リーポア) です。 Limu Līpoaは日本語にすると「深いところで採れる海藻」という意味。 この海藻に当たるのは科学名Dictyopteris plagiogrammaとDictyopteris australisの2種です。 Dictyopterisは褐藻類の海藻で、岩場の波打ち際で比較的容易に見つかります。 昔のハワイの人々はこの海藻を塩漬けにして保存し、魚などと一緒に食べました。 Ka Uluwehi O Ke Kaiの歌詞にも出てくるように、強い香りを放つのが特徴です。 味はスパイシーだそうです。   もう一つ、この歌に出てくるのがLimu Kohu(リム・コフ)です。 Limu Kohuが意味するのは「最高の海藻」で、その名の通りハワイの人々に食用として最も珍重された海藻なのではないでしょうか。 科学名はAsparagopsis taxiformisという紅藻で、日本語では「カギケノリ」という名前が付いています。 ハワイの人々はこの海藻を採取する時、また海藻が生えてこれるように根こそぎ取らないようにしたそうです。 Limu Kohuは水に半日から一晩漬けた後、軽く塩漬けされ、丸めて保存されていました。 私はLīpoaもKohuも食べたことがありませんが、是非いつか食べてみたいです。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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外来種の海藻除去とウニの話

外来種の海藻除去に使われるコレクター・アーチン ワイキキ水族館のコレクター・アーチン こちらでも何度かお話させて頂きましたが、ハワイの海では外来種の海藻が問題となっています。 私の研究室でも、この問題をハワイの皆さんに知って頂くべく、色々な活動をしています。 先日も、ワイキキの外来種の海藻除去の取り組みについて学ぶ、ハワイの高校生の課外授業のお手伝いをさせて頂きました。 その時に出てきたのが、海藻除去に大活躍するウニ。 今回はこのウニと海藻除去のお話です。   外来種の海藻除去に使われるのは、ハワイに自生するコレクター・アーチン(collector urchin、直訳すると「収集家ウニ」)。 比較的トゲは短く、体長は10~15センチくらいになります。 名前の由来は、よく体の表面(トゲの先っぽ)に小石や何かの欠片などを集めたようにたくさんくっつけていること。 主な食べ物はもちろん海藻類です。   ハワイ州ではこのコレクター・アーチンを養殖し、カネオヘ湾やワイキキなど、外来種の海藻の多い海に実験的に放出しています。 コレクター・アーチン達の海藻除去力はなかなかのもの。 実はこのウニの養殖場は、私が実験をしている施設と同じ敷地内にあり、養殖担当の研究者ともよく話すので、このウニちゃん達も私にはとっても馴染み深い子達なのです。 目に見えないくらい小さい幼生だったウニちゃんが大きくなって海に放され、外来種の海藻を一生懸命(?)食べている姿を想像すると、思わず「頑張って!」と言いたくなってしまうのです。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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カエルアンコウの話

ワイキキ水族館のカエルアンコウ 海底を歩くカエルアンコウ 昨日のことですが、居間に子供の教材の海の生き物のポスターを貼りました。 ペンギンやカメやトビウオなどが実物大で描かれているものですが、その中でうちの子が一番反応していたのがカエルアンコウ。 ワイキキ水族館にもいるので、うちの子は以前からカエルアンコウのことは良く知っているのですが、見た目がゴツゴツして顔もブスっとしたように見えるので、なんで並み居る魚の中でこれが好きなんだろう?とちょっと不思議に思います。 確かにインパクトはありますが・・・。 今回は、このカエルアンコウのお話をさせて頂こうと思います。   カエルアンコウは条鰭(じょうき)網アンコウ目カエルアンコウ科に属しています。 英語でも”Frogfish”と呼ばれています。 カエルアンコウの一番の特徴は、胸ビレにあるのではないでしょうか。 ヒレというよりは足のように形が変化していて、この「足」を使って本当にてくてく歩くように移動します。 といっても、元々あまり動き回る魚ではなく、岩の上にじっとしていることがほとんどです。   カエルアンコウの体はカモフラージュのために海底の岩や珊瑚に似せられていて、周囲の景色にまぎれる様にして敵や餌から身を隠しています。 名前に「アンコウ」と付くように頭部にある突起を疑似餌のように使って餌をおびき寄せ、大きな口で一気に餌を飲み込むようにして捕まえます。 このためカエルアンコウは待ち伏せで獲物を取る名手といわれます。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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海洋ゴミの話

プラスチックを飲み込んだコアホウドリの死骸 もう10年以上も前の話ですが、ミッドウェイ環礁を訪れた時、小さな島にもかかわらずたくさんのゴミが漂着していることに驚きました。 海洋ゴミは海洋生物に様々な悪影響を及ぼします。 そこで今回は、この海洋ゴミのお話をさせて頂きたいと思います。   北太平洋は北太平洋海流、カリフォルニア海流、北赤道海流および黒潮の4つの海流が合わさって、大きな時計回りの北太平洋旋回と呼ばれる旋回渦を形成しています。 この北太平洋旋回の中心付近、ハワイ諸島の北東部は太平洋ゴミベルトと呼ばれる海洋ゴミの集中する海域があります。 ミッドウェイに流れ着いたゴミも、日本や中国、アメリカ西海岸などから海流に乗って漂着した物です。 特に目立ったのがプラスチック類と空き瓶、漁網でした。   海洋ゴミの海洋生物に対する影響としては、まずゴミを餌と間違えて食べてしまうことがあげられます。 ウミガメが餌のクラゲと間違えてビニール袋を食べてしまうことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 ミッドウェイでは、コアホウドリの親鳥が海に浮かんでいるプラスチック製品を餌と間違えてヒナに与えてしまい、ゴミで満腹になって餓死してしまうヒナが多数います。 また、廃棄された漁網に絡まってしまうハワイアンモンクシールやアオウミガメも少なくありません。 ミッドウェイのゴミの山を見て以来、私もゴミの処分にはさらに注意を払うようになりました。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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タマカイの話

ワイキキ水族館のタマカイ ワイキキ水族館の館内中程に、大型魚を展示する水槽があります。 その中でもひと際目を引くのが、巨大な体にいかつい顔とまだら模様が特徴のタマカイです。 我が家の5歳児もワイキキ水族館にいくと、水槽の前に張り付いて飽きずにずっと見ています。 今回は、このタマカイのお話をさせて頂きたいと思います。   タマカイはスズキ目ハタ科に属する魚の一種で、体長は3m近く、体重は400kgにまで成長する超大型魚です。 体が大きい割に、サンゴ礁の海など比較的浅瀬に生息しています。 英語名はGiant grouper (ジャイアント・グルーパー、grouper とはハタ科の魚のこと)。 その巨体は水族館で見ても迫力満点です。 顔がいかつく見えるのは、大きな口とぎょろっとした目のせいでしょうか。 タマカイは乱獲のために各地で個体数が減少していて、絶滅危惧種の一歩手前の絶滅危急種に指定されています。   タマカイは肉食性で、普段は小型の魚やエビ・カニなどを主食としていますが、南太平洋の島々では人も丸呑みにすると言われています。 実際に誰かが丸呑みにされたという記録は無いそうですが、餌を食べる時には一気に吸い込んで飲み込んでしまいます。 あの巨体と大きな口を見ていると、確かに子供なら丸呑みにされてもおかしくないかも、なんて思ってしまいます。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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マンタの話

品川アクアスタジアムのマンタ 5月に訪れた品川アクアスタジアムの写真を整理していたら、皆さん、テレビなどで一度はマンタの映像を見られたことがあるのではないでしょうか。 水の中を羽ばたくように泳ぐ姿はとても優雅ですよね。 そこで今回は、このマンタのお話です。   マンタは日本語ではオニイトマキエイとも呼ばれる、トビエイ目トビエイ科のエイの一種です。 英語名はManta Ray(マンタ・レイ、rayはエイのこと)です。 熱帯・亜熱帯に生息し、日本でも石垣島周辺で見ることができます。 世界最大のエイで、横幅は平均で3~5m、大きいものでは8m、体重は3トンにもなります。 羽ばたくようにして使っている翼情のものは実は胸ビレです。 頭の先端に頭鰭(とうき)というヒレがあるのも特徴の一つ。 大きな体の割にプランクトンを主食としているところは、世界最大のサメであるジンベエザメと同じですね。 ジンベエザメと同様、大きな口で海水ごとプランクトンの集団を吸い込み、プランクトンだけを濾し取って海水はエラから排出します。   私はまだ野生のマンタを見たことはありせんが、還暦を過ぎてからダイビングのライセンスを取得した母は遭遇したことがあるそうで、それはそれは感動したそうです。 私も一度生で見てみたいような気はしますが、専門が海洋生物のくせに、実は水中でアオウミガメ以上の大きな生き物を見るのはちょっと怖いのです。 やっぱり水族館でじっくり見るほうがいいですね。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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タカアシガニの話

エプソン品川アクアスタジアムのタカアシガニ 5月に日本に帰った際に品川のエプソンアクアスタジアムに行ったことは以前お話ししました。 アクアスタジアムにはタカアシガニが展示されているのですが、私は子供の頃、水族館でタカアシガニを見ると何となく怖かった覚えがあります。 今回は、このタカアシガニのお話です。   タカアシガニは十脚目クモガニ科タカアシガニ属に属する節足動物です。 主に日本近海の深海に生息しています。 現生する節足動物の中で最大の生き物で、名前の通り足が非常に長いのが特徴です。 面白いのは、オスの成体のハサミの付いている足が、他の足より長くなることではないでしょうか。 このハサミの付いている足を広げると3m以上になることも。 それに比べて甲羅自体は40cm程度ですので、いかに足が長いかわかります。   アクアスタジアムのタカアシガニを見ながら、なんで子供の頃怖かったのかを考えていました。 思い当たる理由は3つ。 一つは、やはりその大きさでしょう。 子供なら、自分より大きなカニはやっぱり怖いのではないでしょうか。 二つ目は、普段海で見かけるカニとは明らかに違うその容姿。 特にハサミの足が長いのが、水槽の外の自分にも届きそうで嫌だったのです。 そして最後は、深海の生き物ということで、私のよく行っていた水族館のタカアシガニの水槽が薄暗かったこと。 この3つの要素が合わさって、子供の私にタカアシガニは何となく怖い生き物というイメージを植え付けたのではないでしょうか。 今でも、海の中では遭遇したくないですね。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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フナムシの話

フナムシのいないハワイの岩場 本日も成分分析のために海藻を採りに行ってきました。 海藻が多く生えているのは主に岩場なので、私達が行くのも砂浜のビーチよりは岩場の海です。 ハワイの海で岩場に行くといつも何かが足りない感じがするのは、日本では岩場に必ずいる“あの生き物”がいないから。 “あの生き物”とはそう、フナムシのことです。 今回はこのフナムシのお話をさせて頂きたいと思います。   フナムシはエビやカニと同じ甲殻類に属する生き物で、熱帯から温帯の岩場の海岸に群れをなして生息しています。 しかし、素早い動きと、黒光りする見た目がゴ○ブリに似ているため、エビやカニのような人気はありません。 私も子供の頃、岩場を歩く度に一斉にササーッと逃げて行くフナムシが大の苦手でした。 多分今でも日本で岩場を歩くことがあったら、フナムシを怖がっているんじゃないかと思います。 ゴ○ブリの多いハワイに住んでいても、やっぱりゴ○ブリはいつ見ても怖いですし・・・。 ちなみにフナムシの英語名は“wharf roach” (波止場のゴ○ブリ)。 日本以外でもやはり嫌われ者のようです。   冒頭でも触れましたが、幸いなことにハワイにはフナムシはいません。 なので何も心配せずに岩場を歩き回ることができます。 しかし最近、フナムシのいない海に何となく物足りなさを感じていたりするのです。 久しぶりに、岩場であの素早い動きを見てみたいような気がしないでもない、かな。 powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...

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アオウミガメの話

ハワイのアオウミガメ この夏はオアフ島のあちこちで成分分析のために海藻を採取しています。 通常はスノーケリングをして採るのですが、ここのところ毎回お目にかかっているのがアオウミガメです。 海の中で泳ぐウミガメを見ると、その日はすごくラッキーな気がします。 今までにも何回か登場していますが、今回はアオウミガメのお話です。   アオウミガメは、ここハワイで最も頻繁に見られるウミガメです。 成長すると甲羅の長さが1mくらい、体重は200kg以上になります。 調査や保護のためにたまにウミガメを運ぶお手伝いをすることがありますが、成体はとても一人では持ち上げられません。 成体は草食で、海草もしくは海藻を主食としています。 ハワイは海草が2種類しか無く、生えているところも限られているので、ほとんどのアオウミガメが食べているのは海藻です。 アオウミガメと呼ばれるのは、草食のせいで体内の脂肪が緑色だからです。   ノースショアなどでは、アオウミガメが陸に上がってお昼寝をしている姿がよく見られますが、これはウミガメが変温動物なので日光浴で体温を上げるために行っています。 それを裏付けるのに、水温が低い日にはより多くのウミガメが日光浴をしているのが分かっています。 ちなみに、日光浴中のウミガメを見かけたら、お昼寝の邪魔をしないようにあまり近付かないようにしましょう。 ハワイのウミガメは連邦政府の絶滅危惧種保護法とハワイ州の法律によって保護されています。   powered by Aloha Sound(ハワイアンミュージックダウンロードサイト) ライター:Mahealani 東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。...