外来種の海藻除去に使われるコレクター・アーチン

ワイキキ水族館のコレクター・アーチン

こちらでも何度かお話させて頂きましたが、ハワイの海では外来種の海藻が問題となっています。
私の研究室でも、この問題をハワイの皆さんに知って頂くべく、色々な活動をしています。
先日も、ワイキキの外来種の海藻除去の取り組みについて学ぶ、ハワイの高校生の課外授業のお手伝いをさせて頂きました。
その時に出てきたのが、海藻除去に大活躍するウニ。
今回はこのウニと海藻除去のお話です。

 

外来種の海藻除去に使われるのは、ハワイに自生するコレクター・アーチン(collector urchin、直訳すると「収集家ウニ」)。
比較的トゲは短く、体長は10~15センチくらいになります。
名前の由来は、よく体の表面(トゲの先っぽ)に小石や何かの欠片などを集めたようにたくさんくっつけていること。
主な食べ物はもちろん海藻類です。
 
ハワイ州ではこのコレクター・アーチンを養殖し、カネオヘ湾やワイキキなど、外来種の海藻の多い海に実験的に放出しています。
コレクター・アーチン達の海藻除去力はなかなかのもの。
実はこのウニの養殖場は、私が実験をしている施設と同じ敷地内にあり、養殖担当の研究者ともよく話すので、このウニちゃん達も私にはとっても馴染み深い子達なのです。
目に見えないくらい小さい幼生だったウニちゃんが大きくなって海に放され、外来種の海藻を一生懸命(?)食べている姿を想像すると、思わず「頑張って!」と言いたくなってしまうのです。
 


東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。