プラスチックを飲み込んだコアホウドリの死骸

もう10年以上も前の話ですが、ミッドウェイ環礁を訪れた時、小さな島にもかかわらずたくさんのゴミが漂着していることに驚きました。
海洋ゴミは海洋生物に様々な悪影響を及ぼします。
そこで今回は、この海洋ゴミのお話をさせて頂きたいと思います。
 
北太平洋は北太平洋海流、カリフォルニア海流、北赤道海流および黒潮の4つの海流が合わさって、大きな時計回りの北太平洋旋回と呼ばれる旋回渦を形成しています。
この北太平洋旋回の中心付近、ハワイ諸島の北東部は太平洋ゴミベルトと呼ばれる海洋ゴミの集中する海域があります。
ミッドウェイに流れ着いたゴミも、日本や中国、アメリカ西海岸などから海流に乗って漂着した物です。
特に目立ったのがプラスチック類と空き瓶、漁網でした。
 
海洋ゴミの海洋生物に対する影響としては、まずゴミを餌と間違えて食べてしまうことがあげられます。
ウミガメが餌のクラゲと間違えてビニール袋を食べてしまうことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
ミッドウェイでは、コアホウドリの親鳥が海に浮かんでいるプラスチック製品を餌と間違えてヒナに与えてしまい、ゴミで満腹になって餓死してしまうヒナが多数います。
また、廃棄された漁網に絡まってしまうハワイアンモンクシールやアオウミガメも少なくありません。
ミッドウェイのゴミの山を見て以来、私もゴミの処分にはさらに注意を払うようになりました。


東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。