ロウル(P. hillebrandii)
ロウルはハワイ固有のヤシの木です。19種あり、その一つ一つがカウアイ島、オアフ島などの単一の島のみに分布する固有種です。古生物学の研究によると、ロウルは、古代ハワイの海岸から標高の高い湿った森まで数多く生育していたそうです。現在、少なくともオアフ島では、雨が多い山の頂付近でいくらか見られる程度です。
ロウルの葉(P. waialealeana
ヤシの木としては中型ですが、なかには高さ約30mまで育つ種もあります。葉は掌状複葉。果実は球形または卵形で、成熟するにしたがって緑色から黄色へ、さらに茶色または黒色になります。古代ハワイ人は、ロウルの小葉を編んでマットを作ったり、葉を雨や日光を避ける傘として使ったりしたそうですが、ニウ(ココヤシ)と違ってあまり利用しなかったようです。
ロウルの花(P. lowreyana)
19種のうち半数近くが希少種または絶滅危惧種に指定されています。現在多くの場所でロウルの若い木や苗木が育っていますが、ロウルの実はことごとくネズミによってかじられてしまい、種子のほとんどが発芽できないそうです。そのため、今後ロウルが野生の状態で存続できるかどうかは不確かであると言われています。
日本語名:―
ハワイ語名:loulu、loulu lelo(P. hillebrandii)、loulu hiwa(P. martii)
英語名:sandalwood
学名:Pritchardia spp.
分類:ヤシ科(Arecaceae)
その他:ハワイ固有種(endemic)
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「画像1」ロウル(P. hillebrandii)
「画像2」ロウルの葉(P. waialealeana)
「画像3」ロウルの花(P. lowreyana)