チンアナゴ

 卒業式も終わり、ハワイ大学は夏休み中です。
私も現在、子供を連れて2週間ほど日本に滞在中です。
日本に帰ってくると必ず子供を連れていくのが水族館です。
今回は初めて、エプソン品川アクアスタジアムに行ってきました。
そこでうちの子供が最も喜んで見ていたのがチンアナゴ。
そういえば、私の親友の一人もチンアナゴが好きで、子供にぬいぐるみをくれたことがありました。
そこで今回はこの秘かな人気者、チンアナゴのお話をさせて頂きたいと思います。
 
 チンアナゴは名前の通り、ウナギ目アナゴ科に属する魚です。
日本語の「チンアナゴ」という名前は、犬の狆(チン)に似ているから付けられたとか。
魚といっても泳ぐことはほとんどなく、常に体の後ろ側の部分が砂の中に隠れています。
生育しているのは熱帯域で、日本でも高知県以南の温かい海で見られます。
サンゴ礁の砂底の流れの速い場所に群れを作り、砂の中に隠れている部分も入れると、体長は40センチにもなります。
体のところどころに黒い斑点があるのも特徴の一つです。
 
 チンアナゴといえば、やはり砂の上ににょきっと出ている頭胸部が何ともいえず可愛いですよね。
この頭は実は潮の流れに向かっていて、流れてくる動物プランクトンを捕まえて食べているのです。
英語名の“garden eel”は、砂から出ている部分が庭の草に似ているから。
日本名のチンアナゴの方が可愛くてぴったりな名前だと思うのですが、いかがでしょうか?
 


東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。