ワイキキ水族館のオウムガイ

ワイキキ水族館のオウムガイ

前回はワイキキ水族館のお話をさせて頂きましたが、ワイキキ水族館の中でひと際暗くて目立たないのがオウムガイの水槽です。一見地味なために子供達には無視されがちですが、実はワイキキ水族館では繁殖の研究も行われていて、私にとってはこの水族館の中で最も興味のある一押しの水槽だったりします。そこで今回は、このオウムガイについてお話したいと思います。

すみだ水族館のオウムガイ

すみだ水族館のオウムガイ

オウムガイは名前に「カイ(貝)」と付いてはいますが、同じ軟体動物でもどちらかというと貝よりはタコやイカに近い頭足類の仲間です。オウムガイの殻は巻貝のようにも見えますが、内部は普通の巻貝と違い、アンモナイトのように幾つもの部屋に仕切られています。体が収まっているのは一番入口に近い部屋で、その奥の部屋達に入っているガスで浮力を調節しています。生まれた時には部屋は4つしかないのですが、大人になると30部屋にもなるそうです。殻の入口からはたくさんの触手が覗いていますが、この触手はなんと90本にもなります。確かにこの触手だけに注目すると、何気にグロテスク。しかしこの触手達には味覚器が付いていて、ここで餌の場所や種類を認識しています。触手の後ろには大きな目がありますが、この目にはレンズがなく視力はあまり良くありません。

オウムガイのたくさんの触手

オウムガイのたくさんの触手

オウムガイは「生きた化石」と言われていますが、それは約5億年前に誕生して以来ほとんど変化していないからです。現在は西太平洋にしか生存していませんが、5億年前にはオウムガイの仲間が世界の海を席巻していたそうです。見れば見るほど不思議なオウムガイ、ワイキキ水族館では絶対に見逃せない水槽です。