Hawaiian cleaner wrass 1

Hawaiian cleaner wrass 1

私は子供の頃、海や川の生き物の図鑑が大好きで、好きな生き物に丸を付けたりしていました。その中にホンソメワケベラという魚がいたのですが(名前の響きが面白かったので)、この魚は他の魚の体表に付いている寄生虫を掃除することで知られています。ハワイにも、このホンソメワケベラと同じ仕事をしている魚がいます。そこで今回は、このハワイの海の掃除魚、ハワイアン・クリーナー・ラスのお話をさせていただきたいと思います。

ハワイアン・クリーナー・ラス

ハワイアン・クリーナー・ラス

ハワイアン・クリーナー・ラスはホンソメワケベラと同じスズキ目ベラ科ソメワケベラ属に属する魚です。体長は大きいものでも約10 cmと小さく、頭部は黄色、尾部は青色から紫色と鮮やかで、体の横に黒いラインが1本入っています。名前に「ハワイアン」と付いていることからもわかるように、ハワイ諸島沿岸でしか見られない、ハワイ固有の魚です。

タマカイとハワイアン・クリーナー・ラス(タマカイの背鰭と尾鰭の間)

タマカイとハワイアン・クリーナー・ラス(タマカイの背鰭と尾鰭の間)

ハワイアン・クリーナー・ラスは1匹1匹がそれぞれ「クリーニング、ステーション」という掃除場を持っていて、掃除して欲しい魚たちはそこで順番待ちをします。掃除される魚はその場でじっとしていて、ハワイアン・クリーナー・ラスが掃除しやすいように口を開けたりエラを広げたりしています。ハワイアン・クリーナー・ラスは、掃除して欲しい魚の周りを泳ぎ回り、口の中や体表に付いた寄生虫を食べ、取り除いていきます。鮮やかな体の色と踊るような泳ぎ方が、他の魚にそれがハワイアン・クリーナー・ラスであることを知らせ、攻撃するのを防いでいるようです。ワイキキ水族館では、ハワイアン・クリーナー・ラスが大きなタマカイの周りを泳いでいましたが、なんだか微笑ましい光景でした。