(画像1) ワイキキ水族館のサンゴ

(画像1) ワイキキ水族館のサンゴ

2014年の後半、ハワイでは深刻なサンゴの白化現象が観測されていました。白化現象はカウアイ島からハワイ島まで、浅瀬の海で観測されましたが、特にひどかったのはオアフ島のウインドワードサイド(風上側)、カネオヘ湾で、80%のサンゴが白化したと報告されています。今回は、このサンゴの白化現象についてお話ししたいと思います。

生きているサンゴ

生きているサンゴ

以前サンゴの話のところでもお話ししましたが、サンゴの体内には褐虫藻という単細胞の藻類が共生しています。サンゴの綺麗な色はこの褐虫藻によるものです。また、褐虫藻が日中光合成をして、できた養分をサンゴに提供しています。サンゴの白化現象とは、何らかのストレスによって、この褐虫藻がサンゴの体外に放出されることで起こります。白化を引き起こすストレスの第一には、海水温の上昇が挙げられます。褐虫藻が放出されてもしばらくサンゴは生きていますが、白化が長引くと死んでしまいます。

生きているサンゴとちょっと白化したサンゴ

生きているサンゴとちょっと白化したサンゴ

今回のハワイのサンゴの白化は観測史上最悪と言われていますが、やはり海水温が例年になく高温だったことが原因です。幸運にも、白化したサンゴのほとんどは回復しました。しかし、今年の後半はまた、エルニーニョのためにハワイの海水温が上昇することが予測されていて、次の白化にサンゴが果たして耐えられるのか、専門家たちは危惧しています。さらに最近、別のサンゴの病気が観察されていて、ハワイのサンゴにとっては受難の時期が続いています。