ワイキキ水族館のウルア

ワイキキ水族館のウルア

先日、娘二人を連れてワイキキ水族館に行ってきました。1才になったばかりの次女にとっては初めてのワイキキ水族館で、どんな反応を示すかと思っていたのですが、なかなか楽しんでくれたようです。一番興味を示していたのは、やはり大型の魚達が泳ぐ一番大きな水槽“Hunters on the reef”(サンゴ礁の狩猟者)でした。今回は、この水槽の中で泳ぐ大型肉食魚、Ulua(ウルア)のお話をさせて頂きます。

ワイキキ水族館のウルア

ワイキキ水族館のウルア

ウルアというのはハワイ語で、日本語ではロウニンアジ、英語ではGiant trevallyやJack fishと呼ばれています。ちなみにハワイ語のウルアはロウニアンアジだけでなく小型のアジも含みます。日本語の「アジ」という名前が指す通り、スズキ目アジ科に属する魚で、アジの仲間では最も大きいものです。体の大きさと顔の厳つさに気を取られて分かりにくいですが、よく見ると確かにその体は巨大なアジです。記録に残っている最大の個体は体長170cm、体重は約90kgですが、通常は体長80cm位、体重50kg程度までのものが多いです。

ビショップ博物館のウルアの模型

ビショップ博物館のウルアの模型

ウルアは肉食魚の中でも食物連鎖の頂点に立つ魚(頂点捕食者)で、小型の魚やエビ・カニ、タコなどを捕食します。ウルアに限らず頂点捕食者というのは、生態系全体を維持するのに重要な役割を果たしています。比較的自然な状態の生態系が保たれている北西ハワイ諸島では、ウルアが頂点捕食者全体の70%以上を占めています。しかし、その大きさから釣りの対象として人気があるため、人間の住むハワイ主要8島沿岸では個体数が少なくなってきているのが現状で、昔のような健全な生態系が維持できないことが危惧されています。