ハワイでキイチゴ属(Rubus)の植物は7種確認されていて、そのうちの2つがハワイ固有種、5つが外来種です。ここでは古来からハワイ人にアーカラ(「ピンク色」という意味)と呼ばれている固有種2種のうち、より一般的に見られるR. hawaiensisを紹介します。
R. hawaiensisは、カウアイ島、モロカイ島、マウイ島、ハワイ島の湿潤な森や亜高山帯の森に自生する、ハワイ原産のラズベリーです。高さ4.5mくらいまで成長し、長さ約4mmの細い刺があります(刺がないものも多くみられます)。葉は3枚の小葉からなり、鋸歯があります。春にピンク色の花が咲きます。花の蜜を目当てに、イイヴィやアマキヒなどのハワイミツスイ類がやってきます。
果実は直径約2.5~5cmで、赤色もしくは紫色、まれに黄色のものもあります。昔のハワイ人は、アーカラの実を見つければ食べていたようですが、生育地が人々の生活範囲から離れていることが多いため、一般的な食用とされてはいなかったようです。今日では果実を加工してパイやジャムが作られます。
日本語名:―
ハワイ語名:’akala
英語名:―
学名:Rubus hawaiensis
分類:バラ科(Rosaceae)キイチゴ属(Rubus)
その他:ハワイ固有種(endemic)