先日ダイヤモンドヘッドの下の方の岩場で海藻を採取していると、穴からニョロニョロッとウツボが出てきました。夏を海で過ごす事が多かった幼少時代、親にウツボに気を付けろと言われたり、素潜り名人からウツボに噛まれた時の武勇伝(?)を聞かされたりして、私の中ではすっかりウツボは怖い魚というイメージが染み付いていました。でもハワイのローカルの人は海でウツボを見つけると結構喜んでいます。そこで今回はウツボのお話です。
ウツボはウナギ目ウツボ亜目ウツボ科に属する魚で、ウナギ同様見た目通りの細長い体が特徴です。魚類に見えないのは、腹ビレと胸ビレが退化し、背ビレと尾ビレもつながっているからでしょうか。体が厚い皮膚に覆われていて、一見鱗が無いように見えますが、実は小さな鱗が皮膚の下に埋もれています。背ビレと尾ビレまでも皮膚に覆われているので、体全体がすっぽり皮膚に覆われている感じです。ウツボのもう一つの大きな特徴として、肉食性で大きな口と鋭い歯を持ちます。顔をよく見ると、口は目よりも奥まで開くようになっていて、小型の魚やエビ・カニ、タコなどを餌としています。
歯が鋭く噛みつく力も強いので、私が子供の頃脅されたように、確かに人間でも噛まれると大変です。しかし、ウツボも好き好んで人を襲うわけではなく、こちらが余計な攻撃をしたり近付き過ぎたりしなければ、噛まれることはまずありません。歳を取ってそれが分かってからは、以前ほどウツボを恐れることはなくなりました。