フナムシのいないハワイの岩場

本日も成分分析のために海藻を採りに行ってきました。
海藻が多く生えているのは主に岩場なので、私達が行くのも砂浜のビーチよりは岩場の海です。
ハワイの海で岩場に行くといつも何かが足りない感じがするのは、日本では岩場に必ずいる“あの生き物”がいないから。
“あの生き物”とはそう、フナムシのことです。
今回はこのフナムシのお話をさせて頂きたいと思います。
 
フナムシはエビやカニと同じ甲殻類に属する生き物で、熱帯から温帯の岩場の海岸に群れをなして生息しています。
しかし、素早い動きと、黒光りする見た目がゴ○ブリに似ているため、エビやカニのような人気はありません。
私も子供の頃、岩場を歩く度に一斉にササーッと逃げて行くフナムシが大の苦手でした。
多分今でも日本で岩場を歩くことがあったら、フナムシを怖がっているんじゃないかと思います。
ゴ○ブリの多いハワイに住んでいても、やっぱりゴ○ブリはいつ見ても怖いですし・・・。
ちなみにフナムシの英語名は“wharf roach” (波止場のゴ○ブリ)。
日本以外でもやはり嫌われ者のようです。
 
冒頭でも触れましたが、幸いなことにハワイにはフナムシはいません。
なので何も心配せずに岩場を歩き回ることができます。
しかし最近、フナムシのいない海に何となく物足りなさを感じていたりするのです。
久しぶりに、岩場であの素早い動きを見てみたいような気がしないでもない、かな。


東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。