ハクジラの代表、イルカ

ハクジラの代表、イルカ

前回、前々回と続けてクジラとイルカのお話しをさせて頂きました。冬のハワイの代名詞ザトウクジラはヒゲクジラですが、イルカはハクジラの仲間です。そこで今回は、このヒゲクジラとハクジラは何が違うのか、もう少しお話しさせて頂きたいと思います。

ヒゲクジラ亜目に属するクジラ類は歯を持たず、上あごから生えている「クジラヒゲ」を使ってオキアミや小魚など、ごく小さな生き物を大量に濾して食べます。小さな生き物を食べる割には身体が大きく、地球上で現在生息している中で最大の動物であるシロナガスクジラも、このヒゲクジラの仲間になります。一方のハクジラ亜目に属するクジラはというと、もうお分かりだと思いますが歯を持つクジラの仲間で、主に魚を補職します。ハクジラはヒゲクジラよりも小型で、イルカやシャチもハクジラの仲間です。面白いものでは、角があるイッカクもハクジラですが、実はイッカクの角は歯が変形したものなのです。

ナガスクジラはヒゲクジラ

ナガスクジラはヒゲクジラ

歯の有無の他にヒゲクジラとハクジラが違うところは、頭の上にある噴気腔(呼吸するための穴)の数で、ヒゲクジラは2つ、ハクジラは1つです。また、イルカは周囲の状況を高周波の音の反響で探るエコロケーションを行いますが、ヒゲクジラにはその能力がありません。以前にも何度かお話しましたが、イルカとクジラには生物学的に明確な違いはありません。体長が4m以下のハクジラの仲間をイルカと呼んでいるだけなのです。