(画像1) タイマイ
以前にも何度か、ハワイで最も頻繁に見られるウミガメはアオウミガメだというお話をしましたが、アオウミガメ以外にハワイで見られるウミガメはタイマイで、ハワイ語ではHonu‘eaと呼ばれています。数はとても少ないですが、ハワイ島、マウイ島、モロカイ島、オアフ島の限られた海岸で産卵することが知られています。タイマイは日本でも見ることができ、その甲羅は以前、鼈甲の原料として重用されました。今回は、このタイマイについてお話させていただきたいと思います。
葛西臨海水族園のタイマイ
タイマイは、カメ目ウミガメ科タイマイ属に属する爬虫類の一種です。甲羅の長さは1m前後、体重は70kgほどになり、アオウミガメよりはやや小ぶりです。一番の特徴はその尖った嘴(吻端)で、英語名ではHawksbill turtle(鷹の嘴を持つカメ)と呼ばれています。もう一つ面白いのは、タイマイの主食が海綿であることでしょう。その尖った嘴で、サンゴや岩の間に生息する海綿を穿るようにして食べています。実は海綿は毒性があるため、他の動物からは餌としては避けられています。海綿を主食とするタイマイも肉に毒があるため、食用としてはあまり向いていません。
タイマイは乱獲や開発などによる生息地の減少によって生息数が激減し、絶滅危惧種に指定されています。ご存知の方も多いと思いますが、現在ではワシントン条約によってタイマイ(の甲羅)の輸出入が禁止になっています。