海藻の間に隠れていた6本足のクモヒトデ

海で採ってきた海藻を研究室できれいにしていると、
よく小さな生き物が隠れています。
カニの子供やウミウシ、小さなエビのような甲殻類などなど。
その中でも私が好きなのがクモヒトデです。

今回はこのクモヒトデのお話をさせて頂きたいと思います。

 
クモヒトデはヒトデやウニと同じ棘皮動物の仲間で、クモヒトデ網に属しています。
名前に「ヒトデ」と付いていますが、ヒトデ網に属するヒトデとは違う網になります。
ちなみにクモヒトデは英語では”brittle star”と呼ばれます。
一般的なヒトデと同じように5本(6本のものも有り)の腕を持ちますが、ヒトデの腕には柔軟性が無いのに対し、クモヒトデの腕は柔軟にくにゃくにゃ動きます。
この腕を使って動くので、ヒトデに比べるとはるかに動きが速いです。
他にヒトデと違う点は、ヒトデの腕には消化器や生殖器が入っているのですが、クモヒトデの腕の内部にはそのような器官は含まれておらず、
身体の中央の盤と呼ばれる部位に全て収まっています。
また、口はヒトデと同様裏側(底側)にありますが、ヒトデと違って肛門がありません。
クモヒトデの腕はヒトデの腕と同様に、無くなっても再生できます。
 
クモヒトデはよく動くので、じっと見ていても飽きません。
よく見ると中央の盤がきれいな五角形や六角形だったり、腕にしま模様があるものがあったり、とってもかわいいクモヒトデ。
刺したりしませんので、見つけたら手に取って観察してみて下さい。


東京生まれ、東京育ち。幼少の頃、家族で夏を海辺で過ごすことが多かったおかげで海の生き物に興味を持つ。当時の愛読書は学研の海の生き物図鑑。遊園地よりも水族館が好きだった(現在も)。日本で某理系大学卒業後しばらく社会人生活を送っていたが、観光で訪れたミッドウェイ環礁で出会った研究者達に触発され、復学を決意。海洋生物学を学ぶためハワイ大学に編入。卒業後大学院に進学し、結婚・出産後も子育てしながら学生生活を満喫中。専門は海藻、特にハワイのアオウミガメの食べる海藻について研究中。プランクトンからクジラまで、大好きな海の生き物たちの話を皆様とシェアできたらと思っております。