イリアヒ(ビャクダン、サンダルウッド)その1の続きです。
S. haleakalaeは、ハレアカラー(Haleakalā、マウイ島)の乾燥した裾野(標高1,900~2,700m)のみに分布する、高さ2~4mの小高木です。S. paniculatumは、ハワイ島の標高450~2,000mの森に分布する、高さ3~10mの低木または高木です。 イリアヒの材は、1790年代から約50年間、希少であり高額だったビャクダン(主にインド産)の代わりとして盛んに伐採され、中国に輸出されました。一部の地域では、女性や子供も含んだハワイの人々が森に駆り出され、伐採と運搬の過酷な労働を強いられたと言われています。伐採のために森の生態系も大きく破壊されました。しかし、1830年代の初めまでにはイリアヒが深刻な枯渇状態になり、1840年頃までにはイリアヒ貿易の時代は幕を下ろしました。 フォスター植物園(ホノルル市)の入り口近くに、四角い花崗(かこう)岩がいくつか置いてあります。イギリス、アジア、アメリカ本土などから砕石されたこれらの岩は、中国でイリアヒの材を降ろしたあと、軽くなった帰りの船のバラスト(船底に積んでバランスをとるための重し)として使われていたそうです。おわり
日本語名:―
ハワイ語名:ʻiliahi、ʻaoa
英語名:sandalwood
学名:Santalum ellipticum、Santalum freycinetianum、Santalum haleakalae、Santalum paniculatum
分類:ビャクダン科(Santalaceae)ビャクダン属(Santalum)
その他:ハワイ固有種(endemic)