(画像1)テンガイハタの標本(名古屋港水族館)

(画像1)テンガイハタの標本(名古屋港水族館)

私は物心ついた時から魚の図鑑を見るのが好きだったのですが、その中でもものすごく興味があったのが深海魚でした。深海魚は水族館などで生きているのを見ることがほぼできませんし、見た目が奇妙なものが多いというのも、興味をそそられる理由でした。今日はあまり見ることができない深海魚について。あまり見ることができないので、使える写真が標本しかありません。ご了承ください。今回はそんな魚の一つ、テンガイハタをご紹介したいと思います。

(画像2)テンガイハタの標本(名古屋港水族館)

(画像2)テンガイハタの標本(名古屋港水族館)

テンガイハタはアカマンボウ目フリソデウオ科に属する魚です。実際は深海魚というよりは、中深層と呼ばれる水深200-800mあたりに生息していると言われています。日本では房総半島から土佐湾にかけて、その他に中部太平洋やニュージーランドで見られるそうです。ハワイでは仲間のアカマンボウはよく水揚げされますが、テンガイハタについてはあまり知られていません。

(画像3)テンガイハタの標本(名古屋港水族館)

(画像3)テンガイハタの標本(名古屋港水族館)

テンガイハタは比較的大型の魚で、体長は160cmから、大きいものでは2mを優に超えます。私が惹かれるのはやはりその見た目です。と言っても、標本か写真か絵でしか見たことがありませんが。生きているテンガイハタは体表が全体的に銀色で、赤い背びれが頭部から尾部まで続いています。この背びれを波打つようにさせながら、立ち泳ぎをするようにして海中を漂うように泳ぎます。さらにテンガイハタは口が伸び縮みするらしく、クラゲや浮遊しているプランクトンを食べると言われていますが、詳しいことはまだよくわかっていません。こんな奇妙で大きな魚が海に生息していて、それがさらにどんな魚かまだよくわかっていない、というのが非常に面白いと思います。