ケヤリムシ

ケヤリムシ

ハワイの海で泳いでいると、たまに棒のようなものの先に羽のようなものを広げた状態の生き物を見かけることがあります。ちょっとでも刺激があると、この羽のようなものをシュッと一瞬で引っ込めてしまうこの生き物、実はゴカイの仲間なのです。今回は、この不思議なケヤリムシという生き物についてお話ししたいと思います。

 

ワイキキ水族館のケヤリムシ

ワイキキ水族館のケヤリムシ

ケヤリムシは、環形動物門多毛鋼ケヤリムシ目ケヤリムシ科に属する生き物です。環形動物というのは、地上でいうとミミズと同じ仲間です。ケヤリムシという名前は、その見た目が大名行列の先頭の毛槍を連想させることからきていますが、英語ではやはり見た目からfeather duster worm(feather dusterは羽のはたき)と呼ばれています。毛槍やはたきの棒にあたる部分は、泥や砂を粘液で固めて作った管で、この中に柔らかい体が収まっています。この管は、岩などに固着していて動きません。羽のような部分は触手で、この触手には呼吸と、食物をろ過して捕食する役割があります。また、管の材料となる砂や泥も、この触手で集めています。

ワイキキ水族館のケヤリムシ

ワイキキ水族館のケヤリムシ

ケヤリムシは、管の部分が13cm前後、羽の部分は大きいもので広げると直径15cmくらいになります。この大きな羽が、一瞬で引っ込むのを見るのはとても面白いです。しかし、羽を広げている姿もなかなか綺麗ですので、もし見つけたら少しの間観察してみてください。